2014年5月9日金曜日

裁判の適正化四点セット

裁判の民主的統制方法を駆使しましょう。

----「裁判が日本を変える」生田暉雄著 139p
忌避(四点セットの1)
忌避とは、裁判官の一人よがりの違法な裁判に対し:主権者としての立場から、本来のあるべき裁判をさせるため、当該裁判官を裁判から手を引かせて交替させるための手段(民訴法二四条、刑訴法二一条)です。
忌避申立に対する判断は同僚のヒラメ裁判官がするので、認められることはありません。しかし、抗告(高裁)、上告(最高裁)まで必ずします
ヒラメ裁判官は、他の裁判官の評価を非常に気にします。「忌避をされるような下手くそな裁判をして」という他の裁判官の評価を恐れているのです。そこで、忌避をして、二度と忌避されたくないという心理にさせるのです。

地裁所長・高裁長官の監督責任追及(四点セットの二)
下級裁判所事務処理規則(二一条)によれば、地裁所長・高裁長官に裁判官の監督権限があり、事務の取扱い及び行状に注意を与える権限があります。また裁判官分限法三条では、高裁長官に裁判官の懲戒権を与えています。
そこで、このような不当判決をしようとする裁判官に対し、監督権・懲戒権を行使して注意するよう申立をするのです。

弾劾裁判所への裁判官の弾劾の申立(四点セットの三)
裁判官の罷免は、国会の弾劾裁判所によらなければなりません(裁判官弾劾法一条、二条)。同法一五条で「何人も裁判官について弾劾による罷免の事由があると思料するときは、訴追委員会に対し、罷免の訴追をすべきことを求めることができる」と規定されています。
そこで、弾劾裁判所の訴追委員会に裁判官の訴追を申し立てるのです。同法二条で罷免の事由があると思料するときは訴追委員会は調査しなければなりません。このような調査等により、裁判官に違法な判決をさせない圧力をかけるのです。

裁判官に対する国家賠償の請求(四点セットの四)
国家賠償法一条は、「国又は公共団体の公権力の行使に当たる公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によって違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。」と規定していて、違法な裁判をした裁判官の責任を、国に問うことができます。
例によって最高裁は、国民の主権の行使をできるだけ制約しようとして、公務員個人、裁判官個人に対して責任を問うことはできず、国に対して責任を問わなければならないという判例を作っています(一九七八年=昭和五三年)。しかし、東京地裁の判決等で、この最高裁判決に反対の判決もあります。
国家賠償訴訟を起こす意義は、訴自体でヒラメ裁判官の違法判決を牽制するだけでなく、一方で、同一事件の実質的被告であるヒラメ裁判官が、本来の訴に対して判決を宣告する裁判官となり得るのか、という問題を提起することになります。国家賠償提起後(したがって、国家賠償はすみやかに本来の判決宣告までに提起する必要がある)、本来の裁判の判決を宣告しようとするヒラメ裁判官に対し、さらに国家賠償提起を理由とする第二次の忌避申立をし、この忌避も最高裁まで争います。

下級裁判所事務処理規則第21条 高等裁判所長官、地方裁判所長及び家庭裁判所長は、所属の裁判所の監督に服する裁判所職員に対し、事務の取扱及び行状について注意を与えることができる。


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