2014年5月24日土曜日

自治体は領域をもった全員加盟制のNPO


-- http://www5d.biglobe.ne.jp/~okabe/honjichi/hajimeni.html
 「自治体は領域をもった全員加盟制のNPOである」という認識を、アメリカで調査するうち私はもつようになった。そこで見聞する自治体は、それまで「行政」としかとらえていなかった日本の自治体と大きく異なるものだった。私たちは本当に「自治体」を知っていたか。「地方自治は民主主義の学校」と言われるが、なるほど自治体は、このようなものであってこそ初めて学校になるのか、と目から鱗の体験だった。そして、自治体がこういうものであるなら、その先にある「国」だって本当はどうなのか。
 その後、ヨーロッパなどアメリカ以外の諸国の自治体制度を調べる機会があった。当初、アメリカの自治体は特別と思っていたが、他の国にも多かれ少なかれ、似たような市民的自治体制度が存在していた。例えばドイツには一万六〇〇〇の自治体があり自治体当たり平均人口は五〇〇〇人(日本は一八〇〇自治体、平均人口六万七〇〇〇人)。フランスには二〇〇年以上前のフランス革命以来あまり変らぬコミューンが三万六〇〇〇も残り、イタリアにも八〇〇〇のコミューニがある。市町村合併を活発に進めた英国でも、基層にあるパリッシュと呼ばれる草の根自治体はむしろ強化される傾向にある。アメリカと同様、無給で働くドイツの市議会議員が、市議をボランティアにする理由を聞かれて「政治のプロではなく、普通の仕事をしている市民がその考えを議会にもってくることが大切だ。」と言っていたのが印象に残る(第五章2)。

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