2015年4月18日土曜日

上下告理由書:全体の奉仕者背任・敬老侮若差別控訴事件

上下告理由書を提出しました。
全体の奉仕者背任・敬老侮若差別控訴事件


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平成27415
平成27年ネオ第3 全体の奉仕者背任・敬老侮若差別控訴事件
上告人 岩﨑
被上告人 日本国
原審 福岡高等裁判所宮崎支部平成26年ネ第221
原審 宮崎地方裁判所延岡支部平成25年ワ第147

上 告 理 由 書
上 告 受 理 理 由 書

最高裁判所 御中

上下告人  岷民蟬


上告の趣旨を次の通り修正する。

上告の趣旨
1    原判決を破棄し、更に相当の裁判を求める。
2    信書差別が憲法に適合しないことについての違憲審査を求める
3    国民の祝日に関する法律第2条 敬老の日、国民の祝日の一つを「敬老の日」と定めていることが憲法に適合しないことについての違憲審査を求める。

理由を次の通り弁論する。

理由
1.  判決に理由を付せず、又は理由に食違いがあること。不可解な理由。(民訴法3122項六) 引用の濫用による理解不能判決である。

判決書4頁:2 本案について
当裁判所も,控訴人の各請求はいずれも理由がないと判断する。
その理由は,後記のほかは,原判決の「事実及び理由」中「第3 争点に対する判断」の1ないし4に記載のとおりであるから,これを引用する
(1)原判決79行日かっこ書を削る。・・・・・・・・・・・・・・

判決書41619行目には、「その理由は、原判決の~  これを引用する。」とあるが、実際には、当該原審判決の当該引用個所が引用されておらず、一読して内容を把握することができない。判決書それ自体を読んだだけで理解不可能な判決書は無効である。その理由とするところを一読して理解できない判決書、朗読されたものを聞いても誰も理解できない判決文は、判決書としての最低基準を満たしておらず、違法無効である。口頭弁論の傍聴人及び当事者が判決書の朗読を聞いて、その判決理由を理解できない判決書は、理由不備であり、理由に食い違いがあるといえる。
民訴規則184条には、「引用してすることができる。」と規定されているが、原審判決理由は、「これを引用する」といいながら、実際にはその文章が引用されておらず、何を言っているのか不明である。理由に食い違いがあるといえる。
当事者及び傍聴人が一読一聴して理解不能な、意味不明な判決書には、当然配慮義務違反があり、ことさらに不可解な判決口頭弁論にしようという悪意があるといえる。
控訴審における判決書はそれ自体で完結していなければならず、それのみで単独で理解可能なものでなければならない。原審判決書を所有していない者でも一読一聴して理解可能なものでなければ、外国語で書かれた判決書と同様に、無効とされなければならない。
引用とは、辞書の定義によれば、「人の言葉や文章を、自分の話や文の中に引いて用いること」とされており、実際に引いてきて用いなければならない。当該箇所が記されておらす、用いられていないものは読解不能であり、引用とはいえない。引用の濫用である。
当事者及びその他の読者に対してパズルのような文章の組み立て作業を強いることなしに、読解可能な判決書でなければならない。
このような意味不明な判決書を平然と出すことのできる裁判官は、裁判官として不適格である。当事者及び一般公衆とのコミュニケーション能力が著しく欠けるものである。

2.  口頭弁論の公開の規定に違反したこと。(民訴法3122項五)
憲法821項に適合しない。
また、公開された口頭弁論の傍聴人が判決書の朗読を聞いて、その判決理由を理解できない判決書は、口頭弁論の公開の規定に違反したといえる。理解不能な判決理由を述べることは、外国語で判決理由を述べることと同様に、当事者及び傍聴人に対して公開されたとはいえず、秘密の口頭弁論期日であったといえる。また、一般的な傍聴人が手元に原審の判決書を所持していることはほとんどありえないことであるから、それ自体が完結した判決書ではなく、他の原審判決に依存した判決書は、理解不能であることは避けられず、当然配慮義務を欠いたといえる。裁判官の独立にも反する。ことさらに意味不明な口頭弁論、判決にしようという悪意があり、公正な口頭弁論の公開の規定に違反したといえる。秘密口頭弁論であった。
憲法821項には、「対審及び判決は公開法廷」で行うとあり、判決が公開法廷で行われなければならないということは、判決書を全て朗読した場合に、それを聴いた当事者及び、一般的な傍聴人が理解可能でなければならないということである。継ぎ剥ぎだらけの判決理由文を聴いてその場で理解できる人は皆無であるから、判決は公開されなかったといわざるをえない。

(第一審の判決書等の引用)
第百八十四条 控訴審の判決書又は判決書に代わる調書における事実及び理由の記載は、第一審の判決書又は判決書に代わる調書を引用してすることができる。

デジタル大辞泉の解説
いん‐よう【引用】
[名](スル)人の言葉や文章を、自分の話や文の中に引いて用いること。「古詩を―する」

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説
引用  いんよう  quotation
自説の展開・補強・証明のために他人の文章を自分の文中に取り入れること。従来は借用として低く見られたが,近年は新たな創造方法として注目されている。平たくいえば,引用することによって引用されたものが新しい意味を持つということが,創造行為として評価されるようになったのである。

3.  憲法763項に適合しない。(民訴法312)
控訴審の裁判官は、独立して裁判書を作成しなければならず、原審裁判官による判決書に依存してはならない。控訴審判決それ自体で一般人が一読して理解可能な判決書でなければならない。
原審の判決書に過度に依存することにより、不可解な判決書となったことは、裁判官の独立違反があったといわざるをえない。
また、過度の依存体質は、原審の判決書に過度に影響される原因となる。

4.  口頭弁論の公開の規定に違反したこと。(民訴法3122―五)
憲法821項に適合しない。
イ、 当該事件、福岡高等裁判所宮崎支部平成26()221号全体の奉仕者背任・敬老侮若差別控訴事件と平成26年(行コ)第9号公務談合損失補填請求控訴事件の口頭弁論期日は、両方とも同一日時、平成2612171330に指定された。佐藤明、三井教匡、下馬場直志裁判官、山崎迪子書記官が担当していた。両方共同じ原告である。
理論的に、同一裁判官が同一日時に複数の事件の口頭弁論を行うことは不可能であり、当事者が同一日時に複数の事件の口頭弁論を行うことは不可能であるから、このような期日の指定は違法である。
ロ、 当事者が複数の事件について十分な口頭弁論を行う権理を侵害するものである。憲法32条、21条に適合しない。
ハ、 民訴法87条に適合しない。「当事者は口頭弁論をしなければならない」と規定されているが、当事者が同一日時に複数事件の口頭弁論を行うことは不可能であるから、同規定に違反する。
ニ、 実行不可能な口頭弁論期日を指定することは、指定された当事者及び一般公衆傍聴人に対して、口頭弁論を公開しなかったこととなる。口頭弁論の公開の規定に違反したといえる。
ホ、 同一日時に指定することにより、裁判官が、審理のための時間を全く取る気がないことが示されており、当事者の憲法上の基本権、法的審尋請求権を侵害するものである。人間の尊厳を侵すものである。憲法13条、32条に適合しない。
ヘ、 一般公衆にとっても、そのような期日の指定がなされていることを知れば、口頭弁論の不作為予定を示すものであるから、期日を傍聴する機会を失することを免れないこととなり、口頭弁論の公開の規定に違反したこととなる。
ト、  当事者が控訴理由、及び答弁書の内容を全て口頭弁論するには少なくとも30分以上の時間を要することが推測されるが、その時間が当初から確保されていなかったことは、口頭弁論必須原則を無視するものである。民訴法87条に適合しない。
チ、 この期日の指定の際には控訴人である甲の都合が確認されることなく裁判所によって一方的に決定された。当事者都合配慮義務違反である。
裁判所から100m以内に住所がある被控訴人()は、訴訟専門の公務員であり、いつでも歩いて5分以内に裁判所に出頭できることを考慮すれば、裁判所から110kmの遠隔地に住所があり、車で往復6時間かかる甲に対する不利益供与行為である。平等保護違反である。憲法14条、32条に適合しない。
リ、  上述のように、理論的に2つの事件の期日で同時に口頭弁論を行うことは不可能であるから、甲は当該初回口頭弁論期日に出席できなかったが、当日に弁論が終結された。民訴法244条のただし書きに適合しない。相手側の申し出がないのに終結されている。仮に相手側の申し出があったとしても、甲の都合が考慮されずに指定された初回期日は民訴法158条擬制陳述の規定があり、甲の都合は保護されなければならないのであるから、甲の意向が確認されることなくなされた弁論終結、釈明審尋義務が果たされることなくなされた弁論終結は違法である。憲法32条に適合しない。

民事訴訟法(訴状等の陳述の擬制)
158  原告又は被告が最初にすべき口頭弁論の期日に出頭せず、又は出頭したが本案の弁論をしないときは、裁判所は、その者が提出した訴状又は答弁書その他の準備書面に記載した事項を陳述したものとみなし、出頭した相手方に弁論をさせることができる。
 第244条 裁判所は、当事者の双方又は一方が口頭弁論の期日に出頭せず、又は弁論をしないで退廷をした場合において、審理の現状及び当事者の訴訟追行の状況を考慮して相当と認めるときは、終局判決をすることができる。ただし、当事者の一方が口頭弁論の期日に出頭せず、又は弁論をしないで退廷をした場合には、出頭した相手方の申出があるときに限る

 (口頭弁論の必要性)
87 当事者は、訴訟について、裁判所において口頭弁論をしなければならない。ただし、決定で完結すべき事件については、裁判所が、口頭弁論をすべきか否かを定める。
 前項ただし書の規定により口頭弁論をしない場合には、裁判所は、当事者を審尋することができる。

5.  法律に従って判決裁判所を構成しなかったこと。(民訴法3122- )
憲法763項に適合しない。
判決裁判所は独立裁判官によって構成されなければならないが、独立を侵されている裁判官によって構成されていた。
1審、2審いずれも同様である。(3334)
憲法763項、22(移転定住職業選択の自由)99(裁判官の憲法擁護義務)12(自由権理保持義務)31(適正裁判請求権)32(公正裁判請求権)、市民的政治的権理国際規約第14条、裁判所法48条(身分の保障)に適合しない裁判所の構成であった。
原審の判決に関与した裁判官は、憲法と法律以外の圧力に従って、およそ3年毎の定期的な強制移住を伴う転所、転任、転業、法務省への出向等を繰り返した経歴を有しており、裁判官としての良心の独立を侵されていた。
基本的自由権を剥奪されている判事のみによって構成される合議裁判体には、国民の自由を護る裁判をすることは不可能である。
独立を侵された裁判官による裁判によって、公正な裁判を受ける権理が侵害された。(3334,35,36,37,38,39,40)

6.  法律により判決に関与することができない裁判官が判決に関与したこと(民訴法3122-) 憲法763項に適合しない。
憲法763項により、独立を侵されている裁判官は、判決に関与することができないが、関与していた。
ドイツ憲法(基本法)101条には、「何人も、法律上の裁判官を奪われない。」と規定されており、日本の憲法32条は、同様の趣旨を含むものである。
ドイツ憲法97条は裁判官の独立が規定されており、その第2項には転所、転官退職の禁止が規定されている。裁判官が独立であるための最低必要条件である。裁判所の組織の変更等のやむおえない場合のみ、強制的な、転所が認められている。日本の裁判官の組織的定期的な転所転官は本人の自発的なものではなく、濫用であり、違憲である。(3334,35,36,37,38,39,40)
日本の憲法763項は、裁判所法48条の規定を内包するものである。

ドイツ憲法 第101 [例外裁判所の禁止]
(1) 例外裁判所は、許されない。何人も、法律上の裁判官を奪われない。
(2) 特別の専門分野に関する裁判所は、法律によってのみ設置することができる。
Artikel 101 [Verbt vn Ausnahmegerichten]
(1) Ausnahmegerichte sind unzulässig. Niemand darf seinem gesetzlichen Richter entzgen werden.
(2) Gerichte für besndere Sachgebiete können nur durch Gesetz errichtet werden.

97 [裁判官の独立]
(1) 裁判官は独立であって、法律にのみ従う。
(2) 専任としてかつ定員において最終的身分として任命された裁判官は、裁判官による裁判によらなければ、かつ法律の定める理由および形式によらなければ、その意に反して、任期満了前に罷免し、長期もしくは一時的に停職し、または転任もしくは退職させることができない。立法により、終身をもって任命されている裁判官を退職させる定年を定めることができる。裁判所の組織またはその管轄区域の変更の場合は、裁判官を他の裁判所に転所させ、または退職させることができるが、その際、俸給の全額を支給しなければならない。
Artikel 97 [Richterliche Unabhängigkeit]
(1) Die Richter sind unabhängig und nur dem Gesetze unterworfen.
(2) Die hauptamtlich und planmäßig endgültig angestellten Richter können wider ihren Willen nur kraft richterlicher Entscheidung und nur aus Gründen und unter den Formen, welche die Gesetze bestimmen, vor Ablauf ihrer Amtszeit entlassen oder dauernd oder zeitweise ihres Amtes enthoben oder an eine andere Stelle oder in den Ruhestand versetzt werden. Die Gesetzgebung kann Altersgrenzen festsetzen, bei deren Erreichung auf Lebenszeit angestellte Richter in den Ruhestand treten. Bei Veränderung der Einrichtung der Gerichte oder ihrer Bezirke können Richter an ein anderes Gericht versetzt oder aus dem Amte entfernt werden, jedoch nur unter Belassung des vollen Gehaltes.

裁判所法 第48条 (身分の保障)  裁判官は、公の弾劾又は国民の審査に関する法律による場合及び別に法律で定めるところにより心身の故障のために職務を執ることができないと裁判された場合を除いては、その意思に反して、免官、転官、転所、職務の停止又は報酬の減額をされることはない。

他者の指示からの自由と身分上の独立が裁判官の独立に不可欠であり、裁判官の独立が保障されていない場合には、その事件の当事者は、「法律上の裁判官」の裁判を受ける権理を奪われたことになる、とドイツ連邦憲法裁判所は判示している。(BverfGE21,139[145-146])
日本全国で毎年4月に750名あまりの判事が転勤転所している。大半が転居を伴っている。組織的な強要転勤である。750名全ての判事が同時に自発的に移住を希望することはありえない。
他者の指示、最高裁事務局等の指示による組織的な転所転官であるから、それに応じた経歴のある裁判官は、独立を侵されているとみなされざるをえない。裁判官の基本的人権、定住移転職業選択の自由が奪われている。
法律上の裁判官は自由独立でなければならない。他者からの転任指示に応じてはならない。
原告は、法律上の裁判官を奪われていた。
法律に従って判決裁判所が構成されておらず、法律により判決に関与することができない裁判官が判決に関与したといえる。

「裁判官」に課せられた憲法上の要請としては、裁判官の独立性、中立性、そして、当事者との距離などをあげることができる。この点について、連邦憲法裁判所は、裁判官に指図からの自由と身分上の独立が認められていること、そして、第3者によって行われることが、裁判にとって本質的であり、こうした観念は、裁判所または裁判官という概念そのものと分かち難く結合しており、裁判官の行為が、裁判官の中立性と当事者に対する距離を必要とすることを指摘している。それゆえ、たとえば、事件を担当する裁判官について、裁判官の独立が保障されていない場合には、その事件の当事者は、「法律上の裁判官」の裁判を受ける権理を奪われたことになる。(BverfGE21,139[145-146])
裁判を受ける権利と司法制度 片山智彦著」 73p (甲31)

7.  控訴審の判事の独立について:
控訴審の佐藤明裁判長は、平成223月から京都地裁で判事の職にあったが、平成26108日に福岡高裁宮崎支部に転所した。(34)
前任の田中哲郎が、定年退職する時期はあらかじめ予見できることであるから、その時期にあわせて後任者を公募することができたにもかかわらず、公募された形跡はない。佐藤明という特定の人物が送り込まれた。恣意的である。佐藤明が福岡高裁宮崎支部の裁判長職に応募した事実もない。不特定多数の者に対して公募された事実もない。外部からの働きかけで京都から宮崎への転所指示に応じた佐藤明裁判官は独立を侵されている。
裁判官の独立が保障されていない場合には、その事件の当事者は、「法律上の裁判官」の裁判を受ける権理を奪われたことになる。
原告は、法律上の裁判官を奪われていた。
法律に従って判決裁判所が構成されておらず、法律により判決に関与することができない裁判官が判決に関与したといえる。

8.  第一審の判事の独立について:
第一審の判決に関与した塚原聡裁判長は、平成234月から東京地裁で判事の職にあったが、平成2641日に宮崎地方裁判所延岡支部に転所した。
前任の太田敬司裁判長は、同日に大阪の裁判所に転所したが、その転所があらかじめ予定されていたのであれば、その時期にあわせて後任者を公募することができたにもかかわらず、公募された形跡はない。塚原聡という検事を長年勤めていた特定の人物が送り込まれた。行政事件について、行政側を勝たせるための恣意的な送り込みといえる。(33)
塚原聡が福岡高裁宮崎支部の裁判官職に応募した事実もない。不特定多数の者に対して公募された事実もない。外部からの働きかけで東京から延岡への転所指示に応じた塚原聡裁判官は独立を侵されている。
裁判官の独立が保障されていない場合には、その事件の当事者は、「法律上の裁判官」の裁判を受ける権理を奪われたことになる。(甲31)
原告は、法律上の裁判官を奪われていた。
法律に従って判決裁判所が構成されておらず、法律により判決に関与することができない裁判官が判決に関与したといえる。
前任の太田敬司裁判長が、転所先の大阪の裁判官職の公募に自発的に応募した事実もない。公募があった事実もない。外部からの働きかけで延岡から大阪への転所指示に応じた太田敬司判事は独立を侵されている、

13141516号証、甲30、甲29号証が故意に無視されており、裁判官の被告への従属が示されている。

9.  釈明審尋義務違反があった。
13141516号証で証明される事実について、被告に対して釈明審尋する必要があったにもかかわらず、それを怠り、事実証拠を無視した判決をしたことは、釈明審尋義務違反、論理則違反の違法がある。
重要な事実が、合理的な理由が示されることなく無視されていることは、判決破棄の理由とならざるをえない。

10.信書差別が憲法に適合しないことについての違憲審査を求める。
(ア)            信書差別は憲法39(罪刑法定主義)31条、19条、21条、13条、22条、25条、291項に適合しない。
信書差別とは、何が信書であるか判別不能なものを判別させようとするものである。(29) 本来、区別を強いられる必要のないものについて区別を強いられることである。その区別を誤れば、刑罰を受けることになる差別である。

(イ)            何が信書であるか判別不能であることは、甲29号証によって証明されている。
予見可能性のない罰則を伴う信書差別であるから、憲法39条、31条に適合しない。郵便法76条、4条は憲法39条、31条に適合しない。
(ウ)            そのような刑罰の恐怖を伴う不可能な区別を強いられることは、思想良心の自由の侵害であるから、憲法19条に適合しない。
(エ)            信書差別し、不当な新規参入障壁を設け、日本郵便株式会社の運送サービスのみに原告の選択肢が限定されることは、原告の選択の自由を侵害し、幸福追求権を侵害するものである。多様な個人の自由が尊重されていない立法は、「立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」義務違反であるから憲法13条に適合しない。
(オ)            信書差別し、安価なサービスの選択を妨げることにより、国民の自由な通信を抑圧することは、表現の自由、通信の自由を妨げるものであり憲法21条に適合しない。
(カ)            信書差別を強要し、郵便局において、信書であるか否かを判別するために内容物を検閲することは、通信の秘密の侵害であるから、憲法212項に適合しない。
(キ)            信書差別を強要し、不当な参入障壁を設け、国民が信書を含むあらゆるものを運送する職業に就く自由を侵害するものであるから、憲法22条に適合しない。
(ク)            信書差別を強要し、安価なサービスが存在するのにその選択を妨げる制度を設け廃止しないことは、「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」との憲法252項の規定に適合しない。
(ケ)            信書差別し、安価なサービスの選択を妨げることにより、国民の財産に損害を負わせることであるから、憲法29条に適合しない
(コ)            以上の信書差別、不当な新規参入障壁に合理性がない。
日本郵便株式会社は、もはや信書運送事業独占権により、保護されるに値しない企業である。電気通信事業においてNTTが特別に独占を許されて保護されるに値しないことと同様である。
(サ)            以上により、信書差別を規定する、郵便法第4 条、76条、民間事業者による信書の送達に関する法律施行規則第9 条は、違憲であり、無効である。

11.国民の祝日に関する法律第2敬老の日、国民の祝日の一つを「敬老の日」と定めていることが憲法に適合しないことについての違憲審査を求める。
国民の祝日に関する法律第2条「敬老の日 九月の第三月曜日 多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う。」は憲法14 条平等保護、19 条思想良心信条の自由、20 条信教の自由、13 条個人の尊厳、民主主義の根本原理に適合しない。(求裁判状14)

(シ)            憲法14条に適合しない。敬老の日により、老人のみを無差別に敬うべき対象とし、「敬幼の日」、「敬若の日」等がなく、老年者以外の国民を敬うべき対象とする祝日がないことは、年齢出生による差別であるから、平等保護違反であり、憲法14条に適合しない。同時に憲法13条に反して個人の尊厳を侵すものである。
(ス)            憲法20条信教の自由に適合しない。「長幼の序」という儒教の教義を国民に刷り込むものであり、信教の自由を犯すものである。憲法第20 3 項の規定に反して、国が儒教教育及び儒教的宗教活動を行っている。儒教の教義を布教している。
(セ)            憲法19 条思想良心信条の自由に適合しない。
本来、ある人が敬うに値する人であるか否か、尊敬されるに値する人であるか否か、ということは、国民各々によって、個人の多様な価値観に基づく独自の基準によって判断されるべきものであるが、単に、自分より前に生まれ、年老いた人ということのみの理由で敬うことを求めること、
何をもって社会につくすことになるのか、という基準は、本来個人の多様な価値観の違いにより、異なるものであるが、単に、自分より前に生まれ、年老いた人ということのみの理由で「多年にわたり社会につくしてきた老人」として無条件に敬愛することを求めることは、個人の思想良心信条の自由を侵すものであり、憲法19条に適合しない
個人の思想良心信条の自由を尊重することを怠り、

「老人 多年にわたり社会につくしてきた 敬うべき人、尊敬しなければならない人達」
「若人 多年にわたり社会につくしていない 侮蔑すべき人、敬うに値しない人達」

という明白な虚偽の等式、誤った価値観を国民全員に押し付けている。
老人を敬え、という教義は、儒教の根本教義、5大教義の一つである、

「長幼の序 年少者は年長者を敬い、従わなければならない。」

に基づくものである。国民に儒教の価値観を刷り込み、民主主義の根本原理、自由と法治主義、個人の尊厳を破壊するものである。年齢差による上下関係を常に意識させ、身分差別、年齢差別を正当化し、垂直的な人間関係を強要し、水平的な法の前の平等関係を抑圧するものである。

12.応答義務違反「電子メールによる問合せに総務省職員が25日以上回答しなかったこと」が違法ではないとの原審の決定は憲法に適合しない。
人間の尊厳を侵すものであり、憲法13条に適合しない。
全体の奉仕者、公共奉仕者が、全力で奉仕すべき義務に違反し、憲法15条に適合しない。
憲法上の国民主権原理に適合しない不作為である。

13.応答義務違反「電子メールによる問合せに総務省職員が実質的な回答をしなかったこと」が違法ではないとの原審の決定は憲法に適合しない。
人間の尊厳を侵すものであり、憲法13条に適合しない。
全体の奉仕者、公共奉仕者が、全力で奉仕すべき義務に違反し、憲法15条に適合しない。
憲法上の国民主権原理に適合しない不作為である。

14.応答義務違反「控訴人が求めた情報のデータを総務省職員が電子メールに添付して返信しなかったこと」が違法ではないとの原審の決定は憲法に適合しない。
人間の尊厳を侵すものであり、憲法13条に適合しない。
全体の奉仕者、公共奉仕者が、全力で奉仕すべき義務に違反し、憲法15条に適合しない。
憲法上の国民主権原理に適合しない不作為である。

15.「総務大臣が控訴人の情報開示請求につき不開示決定をしたこと」が違法ではないとの原審の決定は憲法に適合しない。
表現の自由、参政権の侵害であり、憲法21条、国民主権原理、民主主義原理に適合しない。
人間の尊厳を侵すものであり、憲法13条に適合しない。
全体の奉仕者、公共奉仕者が、全力で奉仕すべき義務に違反し、憲法15条に適合しない。
憲法上の国民主権原理に適合しない不作為である。

16.「被控訴人が現行法規の全文をインターネットで開覧できるようにしていないこと」が違法ではないとの原審の決定は憲法に適合しない。
容易にできること、本来なされていなければならないことをしないことは、
全体の奉仕者、公共奉仕者が、全力で国民全体に奉仕すべき義務に違反し、憲法15条に適合しない。
憲法上の国民主権原理に適合しない不作為である。
「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」との憲法252項の規定に適合しない。

17.「被控訴人が特定の出版社の利益を保護するために上記13ないし17の行為をしたこと」が違法ではない、との原審の決定は、憲法に適合しない。
全体の奉仕者、公共奉仕者が、全力で国民全体に奉仕すべき義務に違反し、憲法15条に適合しない。
憲法上の国民主権原理に適合しない不作為である。

18.判断の遺脱がある。
「地方公共団体、県市町村の法令集サイトでは、例外なく、様式等も省略されることなく閲覧可能な状態となっている。」(30) にもかかわらず、国にできないわけがない、という論理則、経験則が無視されていることについての判断の遺脱がある。(控訴理由書4)
できないわけがないことをしておらず、しようともしないことには何らかの特別の事情があり、その事情とは、甲13141516号証に示される事実であり、出版社及び、職員利益の保護という目的の優先である。背任行為である。
IT 基本法、国家公務員法第96 条全力専念遂行義務、憲法の国民主権原理、15 2 項全体の奉仕者に違反する。

19.判断の遺脱がある。釈明審尋義務違反の違法があった。
平成261231日付控訴理由補充書についての判断の遺脱がある。
以下の()()について、被告に対し、システム上対応が困難であることについての証拠の提出を求め、釈明審尋する必要があったが、それを怠った。
(ア)             
1審判決書10(4)現行の地方自治法施行規則のデータを電子メールに添付して返信しなかったことについて
上記(2)のとおり,IT基本法は,国に対し具体的な義務を課すものではなく,総務省職員が改廃部分を溶け込ませた現行の地方自治法施行規則(「別記様式」部分を含む)のデータを電子メールに添付して返信する法的義務はない。また,総務省は,システム上対応が困難であることから,同規則の「別記様式」部分につき,改廃部分を溶け込ませたデータを作成しておらず,容易に原告の求めに対応できるともいえないから,総務省職員が改廃部分を溶け込ませた現行の地方自治法施行規則(「別記様式」部分を含む。)のデータを電子メールに添付して返信しなかったことがIT基本法1条,3条,5条,6条,11条,16条,20条,民法12項,90条,国家公務員法96条,国民主権に反するとは認められない。

「システム上対応が困難であることから」とあるが、根拠が無い。
当該作業が困難であり、不可能であるといえるためには、当該業務が競争入札に付されたが、入札者がいなかった事実、発注したが受託業者がなかった事実がなければならないが、そのような事実はない。そのような事実を証する証拠は提出されていない。
インターネットでクラウドソーシング業者のサイト(lancers.jp, crowdworks.jp, craudia.com )から当該業務を発注すれば、1週間以内に多数の受注希望者からの応募があり、直ちに実現可能である。あるいは、神奈川県、東京都の法令集サイトを請け負っている業者に発注すれば実現可能である。
そのような発注事実がないのであるから、「システム上対応が困難である」とはいえない。
地方公共団体、県市町村の法令集サイトでは、例外なく、様式等も省略されることなく閲覧可能な状態となっている。
例えば、神奈川県、東京都の法令集サイトでは、全ての様式が閲覧可能であるのみでなく、ワード形式でダウンロードできるようになっている。(30)
国にできないはずはない。やる気があるかないかの問題である。(論理則、経験則)

(イ)             
1審判決書11頁: (6)国が現行法規の全文をインターネットで閲覧できるようにしていないことについて
上記(2)のとおり,IT基本法は,国に具体的な義務を課すものではなく,行政情報の電子的提供に関する基本的考え方(指針)や世界最先端IT国家創造宣言はあくまで指針や宣言であるから,国が,改廃部分を溶け込ませた現行法規の全文(「別記様式」部分を含む。)をインターネットで閲覧できるようにしていないとしても,憲法252項,IT基本法1条,3条,5条,6条,11条,16'条,20条,国家公務員法96条,民法12項,行政情報の電子的提供に関する基本的考え方(指針),世界最先端IT国家創造宣言に反し違法であるとは認められない。

国が現行法規の全文をインターネットで閲覧できるようにしていないことについても、上記()に述べられたように、発注事実がないことが考慮される必要がある。
当然掲載されるべき情報が、掲載されていないのみでなく、容易に掲載可能であるにもかかわらず、掲載することを拒絶していることは、公務員の職務義務違反である。国民の不便と困惑を放置し、何ら改善しようとしないことは、憲法252(生活福祉向上改善義務)違反である。民法第1(信義則)、高度情報通信ネットワーク社会形成基本法違反、国家公務員法第96条違反である。
高度情報通信ネットワーク社会形成基本法の全趣旨(世界最先端のIT国家創造)違反である。世界最先端IT国家創造宣言(閣議決定平成25年6月14)違反である。(242526)
地方公共団体、県市町村の法令集サイトでは、例外なく、様式等も省略されることなく閲覧可能な状態となっているにもかかわらず、国にできないはずはないという論理則、経験則が無視されている。重要論理則及び経験則の看過である。
理由齟齬である。(30)

20.法令の解釈に関する重要な事項を含む。(民訴法318条、上告受理理由)
高度情報通信ネットワーク社会形成基本法の適用に関する重要な事項を含む。
「国際的にみても、日本が世界最先端のIT国家としての地位を失い、ICT世界競争力ランキングにおいて、多くの国の後じんを拝していること。」(26,25,24,3,4,5,6,7,8)を国が自省し、世界最先端IT国家創造宣言を行ったのであるから、「高度情報通信ネットワーク社会形成基本法」の解釈にあたり、韓国の「電子政府実現のための行政業務等の電子化促進に関する法律」の水準以上の基準が求められているものと解されなければならない。(求裁判状8)にもかかわらず、判決では、「IT 基本法は,国に対し具体的な義務を課すものではなく」等と解釈を誤り、国が当然なすべきことをなさないことを不法行為として認定していない。

21.理由齟齬である。理由に食違いがあること。(民訴法3122項六) 存在するものを存在しないという、主張無視の違法がある。

判決書4頁: 控訴人は,原審は法律に従って判決裁判所を構成しなかったと主張するが,その理由とするところは,原審が,裁判所法及び民事訴訟法に従って構成されていないことを指摘するものではないから失当である。

裁判所法第48 条に適合しない裁判官によって構成されていることが主張されていることが無視されている。(控訴理由書1)
憲法76 3 項、22 (居住移転職業選択の自由)99 (裁判官の憲法擁護義務)12 (自由権理保持義務)31 条、32 条、市民的政治的権理国際規約第14 条、裁判所法第48 条に適合しない裁判所の構成であることが指摘されていることが無視されている。

22. 憲法13条の「自由」の解釈に誤りがある。
行政機関の保有する情報の公開に関する法律16条、施行令14条、133項の解釈に誤りがある。
法令の解釈に関する重要な事項を含む。(民訴法318条、上告受理理由)

判決書6頁: 163項に基づき制定された同法施行令14条は、開示実施手数料の減免について定めるが,同条には開示請求手数料の減免についての定めはなく,他に,開示請求手数料の減免を定めた政令は存在せず,同法には,開示請求手数料の納付がない場合でも行政機関の長の裁量により開示できることを認める趣旨の規定は存在しない

本来、行政機関の情報公開とは、法律の規定がなくても、なされなければならないものである。情報公開は法律の許可がなければしてはいけないものではない。お金を払わなければ情報公開してはいけないものではない。
憲法上の国民主権、表現の自由、参政権、納税者が行政情報を知る権理等から当然導かれる国民の自然権である。
ドイツでは2005年まで連邦情報公開法がなかったが、行政情報は公開されていた。
正式の情報公開制度がなく、これを求める国民の声がほとんど聞かれないことは不思議であった。環境破壊がなければ環境法がいらないように、行政情報が提供されておれば行政情報公開制度は不要であろう」「ドイツに情報公開法がないことについて言えば、すでに行政情報は出すぎているので個人データ保護法が必要である。」「訴訟になる前にも、人はいつでも関連する書類を見ることを要求できる。」(32) 19990年までのドイツの状況である。
情報公開法ができたことにより、かえって情報公開が制限されるような、市民に不利な法解釈がなされてはならないものである。法の明文で、できないと規定されていない限り、できるものと解釈されなければならない。
情報公開法16 3 項により、「第一項の手数料を減額し、又は免除することができる。」との規定に反し、「開示請求に係る手数料」についての減免の規定を政令で定めていないことは違法である。違法な規定不作為であるから、その点については、市民の自由、請求権の有利に解釈されなければならない。
162項によれば、「できる限り利用しやすい額とするよう配慮しなければならない」と規定されており、印紙を貼って開示請求させる手続き自体が、印紙を貼り付けて郵送させる手間暇コストを考慮すれば、できる限り利用しやすい額、コスト、手続きとはいうことができないのであるから、「開示請求に係る手数料」についての減免の規定を政令で定めていないこと自体が違法である。
印紙を貼り付けさせて郵送させる手続自体が、オンライン請求を不可能化するものであり、IT基本法の趣旨に反するものである。開示請求手続きをできる限り利用困難にするものである。施行令133項は、法162項に反してできる限り困難化している悪意がある規定であるから、無効とみなされなければならない。
無効であるから、原告の開示請求が却下されたことは違法であり、憲法21条表現の自由の侵害となる。

原告によって開示請求された文書は、本来インターネット上で閲覧可能であるべき法律情報である。開示請求を待つことなく誰でも閲覧可能な状態となっていなければならない情報である。
その区別がつかないのだろうか?
「一定の開示の実施の方法により一般に周知させることが適当であると認め」られなければならない情報であるから、開示請求手数料の請求を強いることなく公共の利益のために、一般公衆のために広くインターネット上で開示されるうるものである。一般公衆のための開示請求であるから、特定の個人に手数料を請求することが不当であるとの同規定の趣旨がわからないのだろうか?
開示実施手数料が免除されるのに、開示請求手数料が免除されない道理があるだろうか? 公益のための請求である。開示請求手数料を免除してはいけない規定があるだろうか?
裁判官には自由はないのだろうか?
定住の自由はないのだろうか?
転所しない自由はないのだろうか?
初めに不自由ありきではなく、初めに自由ありきではないだろうか?(世界人権宣言1条、民主的法治国家原理、憲法31)

行政機関の保有する情報の公開に関する法律(手数料)
第十六条  開示請求をする者又は行政文書の開示を受ける者は、政令で定めるところにより、それぞれ、実費の範囲内において政令で定める額の開示請求に係る手数料又は開示の実施に係る手数料を納めなければならない。
2  前項の手数料の額を定めるに当たっては、できる限り利用しやすい額とするよう配慮しなければならない
3  行政機関の長は、経済的困難その他特別の理由があると認めるときは、政令で定めるところにより、第一項の手数料を減額し、又は免除することができる。

行政機関の保有する情報の公開に関する法律施行令(手数料の減免)
第十四条  行政機関の長(法第十七条 の規定により委任を受けた職員があるときは、当該職員。以下この条において同じ。)は、行政文書の開示を受ける者が経済的困難により開示実施手数料を納付する資力がないと認めるときは、開示請求一件につき二千円を限度として、開示実施手数料を減額し、又は免除することができる。
4  第一項の規定によるもののほか、行政機関の長は、開示決定に係る行政文書を一定の開示の実施の方法により一般に周知させることが適当であると認めるときは、当該開示の実施の方法に係る開示実施手数料を減額し、又は免除することができる。

第十三条
3  開示請求手数料又は開示実施手数料は、次の各号のいずれかに掲げる場合を除いて、それぞれ開示請求書又は第十条第一項若しくは前条第一項に規定する書面に収入印紙をはって納付しなければならない

行政事件からみた親切な訴訟「人間の尊厳と司法権」木佐茂男著1990
③行政庁の文書提出義務 (a)筆者は西ドイツでの取材中希望する資料は存在する限りすべて入手できたし、場合によっては作成までしてもらった (本書54頁参照)。確かにかの国でも個人情報の保護と公安情報開示の問題は論じられている。しかし正式の情報公開制度がなく、これを求める国民の声がほとんど聞かれないことは不思議であった。環境破壊がなければ環境法がいらないように、行政情報が提供されておれば行政情報公開制度は不要であろう。わが国では民事訴訟準拠により行政訴訟での文書提出の実務は悲惨な状況にあるが、西ドイツでは裁判官はどのような思想に基づいていかなる実務を行っているのであろうか。
当事者の文書閲覧権は法的聴聞を受ける権利を実現し、当事者公開の原則を表現する237)。行政裁判所法と財政裁判所法は厳格に行政庁の文書提出義務を定め、例外的に拒否ができるという構成をとっている(§99 I VwGO,§86FGO)。社会裁判所法は行政庁の文書提出義務を明言せず、提出拒否事由のみを定める(§119SGG)が、通説は他の2法律と同様の解釈をする238)0「連邦または州の福利(Wohi)に不利益をもたらす場合」および「文書が法律に従いもしくはその本質上秘密とされなければならない場合」 にのみ、権限ある最高監督官庁はその提出・供与(Erteilung) を拒むことができる(§99 I VwGO)。 提出拒否事由は限定列挙である239)。部分的提出の可能性も検討されなければならない。連邦・州にとっての不利益は高度の蓋然性をもつものでなければならず、財政上の不利益や訴訟での敗訴の可能性では十分ではない。紙幅の都合上、2つの点にのみ言及する240)。第1に、提出が求められる文書は、内部討議に関する一切の資料、草案類、下書き、準備文書、鑑定書などである241)。裁判所は提出文書を正確に特定する必要はないし、実際にしばしばできない。包括的な文書提出命令で足り、行政庁は完全に提出しなければならない。第2の特徴は、州の最高官庁、すなわち原則として州の主務大臣が宣言を行ってはじめて提出拒否ができることである。当事者は大臣の拒否宣言を争うことができる242)
(b)裁判官の生の声を聞こう。連邦社会裁判所副長官Krasney は次のように言う。「われわれ裁判所は統制することができなければならない。原告の文書閲覧に関しては、われわれは憲法上の法的聴聞の原則から導く。もし文書提出命令の規定がなければ、職権探知主義の規定を利用する。この2つを利用して権力分立が及ぶ限りで職権的に審理できる。裁判官は自由でなければならず、すべての書類・文書(Vorgange)をもたねばならない。もし裁判官がそれを持てば、これを原告に示し、法的聴聞の枠内で意見を述べる機会を与えることを義務づけられている。以上については、フェアー・プレーの原則など別の理由づけをする人はいるかもしれないけれども、結論については誰も一致する。西ドイツに情報公開法がないことについて言えば、すでに行政情報は出すぎているので個人データ保護法が必要である。通常の訴訟事件では個人の権利保護に関係のある資料は出される。これまで17年間の社会裁判官経験のうちで、文書提出命令をして行政庁に拒絶されたことは一度もない。ただ、文書の全体を開示すると離婚問題に発展するようなケースや鑑定書で癌の診断の載ったものなどは本人のために部分開示をすることがある」
[Krasney]0
西ドイツ司法になお批判的な裁判官の見解もあげておく。「現在の西ドイツの行政情報の公開度について、いい状態だと思う(Ich finde es gut.)。弁護士を通じて文書閲覧ができるし、裁判所において官庁は完全に文書を明らかにしなければならない義務がある。おそらくそのことが情報公開法の制定を緊急としない理由であろう。訴訟になる前にも、人はいつでも関連する書類を見ることを要求できる1976年以来、(行政手続法によって一筆者注)特に理由付記強制があることも関係している。裁判所では基本法上法的聴聞が行われなければならない。当事者にとり裁判の上で重要なものはすべて提出されなければならない」[H. -E. Bdttcher]0
上級行政判事を兼ねる教授Schimidt-Jortzig は、裁判官としての経験も含めて、行政庁が結果として文書開示を拒否した経験はないという。「特に下級庁が開示に難色を示すことはあるが、上級機関になるほど秘密はなくなり、特に内務省関係文書では省当局が秘密であると述べたケースはーつもない。以上の回答から行政系裁判権一般の文書提出実務についての断定的な評価を導くことにはなお慎重でなければならない。今後さらに実態の把握が必要である。西ドイツでも役人は文書のすべてを提出あるいは開示したがらない傾向にあり、それ故、ハンブルクのように州によっては調査委員会を設置して開示問題が検討されたことがある[Grotheer] と言われる。しかし、「市民は旧来は裁判所を通じて文書閲覧権をもったが、76年の行政手続法により裁判手続外でも行政情報に接近できるようになった」[Grotheer] 。最終章でも触れるように西ドイツでは行政文書が公務員の強い自己責任の下で作成され、その後厳格に公文書として整理保管されている。この実態と上記の諸発言から判断すれば、個人の権利義務に関係する情報はいずれにせよ最終的には裁判所に提出されざるをえないこともあって、市民の情報へのアクセスは行政的レベルでも相当程度容易であるように見られる。日本であれば民訴法の文書提出命令規定を適用する結果、提出命令が発せられないような行政文書も西ドイツではほとんどすべて提出されているように思われる。言うまでもなく、文書の所持者が行政主体か行政庁かというわが国で議論されるテー マは、管見の限りでは見あたらない。365p
(中略)

例えばブラウンシュヴァイク上級裁判所ホールには、「法律と裁判官の職が国民に権利を創造する」という石版【写真100】がある。裁判官の主体的責任の重大さを自覚、自戒せしめる言葉である。各級の裁判所とその構成員たる裁判官は個々のレベルでなしうる範囲で努力をしなければならないであろう。このためには、何よりも、裁判官が「個」を確立し、自由と人権を獲得しなければならない裁判官自らが真の自由を享受して初めて憲法の精神に則って、他人の人権に配慮した裁判をなしうるであろう。いうまでもなく、裁判官増員(【図4】参照)52〉により時間的ゆとりも必要である。 このような改革を経て自己の見解を形成するゆとりがなければ、真に独立した裁判官による裁判を受ける国民の権利は満たされることにならないであろうし、日本の裁判官は、国際化の時代に、各種の国際的舞台で活躍できないであろう。
国民のための裁判を行う裁判官自身にとって「人間の尊厳」が必要である
自己自身の尊厳が現実に保障された裁判官によって初めて裁判は「人間の尊厳」を確保できるものとなる。《人間の尊厳と司法権〉という表題は、この二重の意味を込めるものであることを記して、本書を閉じることにしたい。403p


23. 以上のとおり、法令の解釈に関する重要な事項を多く含むので上告受理理由がある。 (民訴法318条、上告受理理由)
24.以上のとおり、多くの論点において、最高裁の判例がないか、あるいは判例があったとしてもその誤りを指摘し、判例の変更を求めるものであるから、上告受理理由がある。 (民訴法318条、上告受理理由)

25.以上のとおり、原審判決が破棄されるための十分な理由がある。



以上

添付書類: 証拠説明書
           3141号証




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