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裁判員制度と陪審制度との間には決定的な違いがある。裁判員裁判では職業裁判官が市民と一緒に評議室に入る。陪審裁判では事実認定は市民の専権である。職業裁判官が「裁判員の負担」を口実にして裁判員の権限を形骸化する戦略を進め続けるのであれば、われわれには陪審法の再試行という選択があることを心にとどめておくべきであろう。---------
世間では良く、裁判官の量刑は検事の求刑の八掛けだと言われている。もしもそれが本当だとすれば、日本の刑事被告人は裁判官による裁判を受けていないことになる。なぜなら、量刑を実質的に決めているのは検事だからである。被告人を懲役8年にしたければ検事は10年を求刑すれば良い。4年にしたければ5年。簡単な算数だ。日本の職業裁判官はそれが現実であることを決して認めない。馬場純夫裁判官も認めないだろう。しかし、行動は言葉よりも雄弁である。立会検事から「それ違いますよ」と指摘されるや、すごすごと引っ込んで刑を変えるというのは、あまりにも見事に誰が刑を決めているのかを示している。まるでカリカチャーそのものだが、これは紛れもなく日本の司法の現実である。
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