適正手続保障、due
process of law の保障規定、憲法第三十一条は、刑罰に関わることのみではないことは、その英文の草案を訳してみればわかります。
「又はその他の刑罰を」という表現が誤解を招いています。
「又は、いかなる刑罰も」 とすべきです。その他ではありません。
民事でも刑事でも適正手続は保障されなければならないということです。
法治国家における個人の自由です。
自由を縮小するべく解釈したがるのは奴隷の國の民、裁判官です。
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沿革
大日本帝国憲法
第二十三條 日本臣民ハ法律ニ依ルニ非スシテ逮捕監禁審問處罰ヲ受クルコトナシ
GHQ草案[2]
(日本語)
第三十二条 何人モ国会ノ定ムル手続ニ依ルニアラサレハ其ノ生命若ハ自由ヲ奪ハレ又ハ刑罰ヲ科セラルルコト無カルヘシ又何人モ裁判所ニ上訴ヲ提起スル権利ヲ奪ハルコト無カルヘシ
(英語)
Article XXXII. No person shall be deprived of life or liberty, nor shall any criminal penalty be imposed, except according to procedures established by the Diet, nor shall any person be denied the right of appeal to the courts.
憲法改正草案要綱[3]
第三十 何人ト雖モ国会ノ定ムル手続ニ依ルニ非ザレバ其ノ生命若ハ自由ヲ奪ハレ又ハ刑罰ヲ科セラルルコトナカルベク何人モ裁判所ニ於テ裁判ヲ受クルノ権利ヲ奪ハルコトナカルベキコト
憲法改正草案[4]
第二十八条 何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪われ、又はその他の刑罰を科せられない。
日本国憲法
第三十一条 何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。
「又はその他の刑罰を」という表現が誤解を招いています。
「又は、いかなる刑罰も」 とすべきです。その他ではありません。
民事でも刑事でも適正手続は保障されなければならないということです。
法治国家における個人の自由です。
自由を縮小するべく解釈したがるのは奴隷の國の民、裁判官です。
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沿革
大日本帝国憲法
第二十三條 日本臣民ハ法律ニ依ルニ非スシテ逮捕監禁審問處罰ヲ受クルコトナシ
GHQ草案[2]
(日本語)
第三十二条 何人モ国会ノ定ムル手続ニ依ルニアラサレハ其ノ生命若ハ自由ヲ奪ハレ又ハ刑罰ヲ科セラルルコト無カルヘシ又何人モ裁判所ニ上訴ヲ提起スル権利ヲ奪ハルコト無カルヘシ
(英語)
Article XXXII. No person shall be deprived of life or liberty, nor shall any criminal penalty be imposed, except according to procedures established by the Diet, nor shall any person be denied the right of appeal to the courts.
憲法改正草案要綱[3]
第三十 何人ト雖モ国会ノ定ムル手続ニ依ルニ非ザレバ其ノ生命若ハ自由ヲ奪ハレ又ハ刑罰ヲ科セラルルコトナカルベク何人モ裁判所ニ於テ裁判ヲ受クルノ権利ヲ奪ハルコトナカルベキコト
憲法改正草案[4]
第二十八条 何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪われ、又はその他の刑罰を科せられない。
日本国憲法
第三十一条 何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。
第三十一条 何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれない。又は、いかなる刑罰も科せられない。
<憲法第31条の解釈について>
元最高裁判事であり憲法学をリードしてきた憲法学者の伊藤正己氏による、
「憲法」
伊藤正己著 第三版 弘文堂 より引用
329頁
「手続き的保障の意義」
以下にみるように、憲法は、とくに人身の自由にかかわる手続きについて詳しい規定をおいている。
それは国家が勝手気ままに自由を制限することを防止するためには、制限の手続きをあらかじめはっきり定めておく必要があるという、歴史的体験から得られた考え方による。アメリカの偉大な法律家の一人、フランクファーターは、「人間の自由の歴史は、その多くが手続き的保障の遵守の歴史である」と語ったが、その言葉は手続き的保障の意義をよく表している。
それは国家が勝手気ままに自由を制限することを防止するためには、制限の手続きをあらかじめはっきり定めておく必要があるという、歴史的体験から得られた考え方による。アメリカの偉大な法律家の一人、フランクファーターは、「人間の自由の歴史は、その多くが手続き的保障の遵守の歴史である」と語ったが、その言葉は手続き的保障の意義をよく表している。
日本国憲法は、31条で手続き的保障の原則を定め、さらに刑事手続きに関する詳しい規定を設けている。国家が刑罰權をもち、その発動の過程で人々の自由が侵害、制限されるのであるから、手続き的保障が刑事手続きについて重視されるのは当然である。
しかし現代国家は、刑罰權の発動だけでなく、行政權行使の過程で、国民生活と多様な関わりを持つようになっており、そこでは刑事手続きの保障とは程度の差はあっても、それにおけると同じ趣旨が生かされるべきであるという要請が存在している。
332頁
適法手続き
(1) 法律の定める手続き
「法律の定める手続き」という言葉には広い意味がこめられている。
すなわち、人權制約の手続きだけでなく、実体も法律で定められること、および人權制約の内容が手続きと実体の両面にわたって適正でなければならないことである。
このように理解するのは、31条が、刑事裁判上の規定としての役割だけでなく、人身の自由全体、さらに人權保障全体にかかわる原則を定めたものととらえることによる。この原則を適法手続きの原則とか法廷手続きの原則と呼ぶ。
この原則は、個別の自由や權利の保障規定にも生かされているが、それらの規定によってとらえることのできない問題―たとえば後述の告知、聴聞の手続き―が生じたとき31条の原則のもとで処理されることになる。
またこの原則が広い内容を対象としていることから、31条の「生命」「自由」「刑罰」といった文言についても刑事法上の狭い意味に限ることなく、広く国家權力による国民の自由や權利への侵害・制約についても適用されると理解される。たとえば、財産權への制約や、少年法による保護処分、伝染病予防法による強制処分のほか、後述のように行政手続き上の諸問題についても適用の対象として考えてよい。
334頁
行政手続きの適正
適法手続きの原則は「法の支配」の原則からみて、行政手続きに対しても及ぶと解される(後略)
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