上告理由書を提出しました。今日が提出期限でした。
* 判決:平成26年(行ケ)第6号延岡市長選挙無効請求事件
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* 判決:平成26年(行ケ)第6号延岡市長選挙無効請求事件
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平成27年3月8日
平成26年(行サ)第6号 延岡市長選挙無効請求事件
上告人 岷民蟬
被上告人 宮崎県選挙管理委員会
原審
福岡高等裁判所宮崎支部
平成26年(行ケ)第6号
下
告 理 由 書
最後裁判所 御中
岷民蟬
理由
原審判決は、悪を匿い、不正を養護し、不正選挙を抑止するのではなく、より一層奨励する効果をもたらすものであり、民主主義の原理を破壊するものであるから、破棄されなければならない。
1. 法律に従って判決裁判所を構成しなかったこと。
判決裁判所は独立裁判官によって構成されなければならないが、独立を侵されている裁判官によって構成されていた。
憲法76条3項、22条(居住移転職業選択の自由)、99条(裁判官の憲法擁護義務)、12条(自由権理保持義務)、31条(適正裁判請求権)、32条(公正裁判請求権)、市民的政治的権理国際規約第14条、裁判所法第48条(身分の保障)に適合しない裁判所の構成であった。
原審の判決に関与した裁判官は、憲法と法律以外の圧力に従って、およそ3年毎の定期的な強制移住を伴う転所、転任、転業、法務省への出向等を繰り返した経歴を有しており、裁判官としての良心の独立を侵されていた。
基本的自由権を剥奪されている判事のみによって構成される合議裁判体には、国民の自由を護る裁判をすることは不可能である。
独立を侵された裁判官による裁判によって、公正な裁判を受ける権理が侵害された。いわゆるヒラメ裁判であった。
2. 口頭弁論の公開の規定に違反したこと。(民訴法312条2-五)
原審の口頭弁論は平成26年11月7日(金)午後4時00分からと指定されたが、実際
にはその5分前に開始され、午後4時前には弁論終結していた。午後4時丁度に訪れた傍聴人に対して口頭弁論が公開されなかったことになり、信義則に反し、口頭弁論の公開の規定に違反した。
にはその5分前に開始され、午後4時前には弁論終結していた。午後4時丁度に訪れた傍聴人に対して口頭弁論が公開されなかったことになり、信義則に反し、口頭弁論の公開の規定に違反した。
口頭弁論が正当に公開されたと言えるためには、口頭弁論期日の日時と場所が2週間以上前に公開され、変更される場合にも変更事実が2週間以上前に公開されなければならないと考えられる。
3. 被告不適格である。憲法32条、31条に適合しない。
公職選挙法203条によれば「都道府県の選挙管理委員会を被告」とすることが規定されているが、延岡市長選挙については、延岡市の選挙管理委員会が執行者であるから、延岡市選挙管理委員会が被告とならなければならない。公職選挙法203条は、自己責任原則に反し、自己の責任のない者に対して被告となることを要求することとなっており、被告として不適格である。
公職選挙法203条の被告限定規定は、原告(上告人)の適正手続による公正な裁判を受ける権理を侵害するものであり、無効である。原審判決を破棄し、被告を延岡市選挙管理委員会として、裁判をやりなおすべきである。
4. 釈明義務違反があった。判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。(民訴法325条2項により破棄差戻し理由)
原審では、ポスター掲示場の地図、図面の拙劣さが問題となっているにもかかわらず、図面が検証されることなく、弁論が終結された。
口頭弁論の開始から終結まで2分以上経過していなかった。
担当判事は、交付された図面を検証するために、図面の提出を求める釈明義務があったが、それを怠った。図面を見ることなく拙劣さを看過することは、盲人による裁判に等しい。
また、実際に交付された地図図面のみで掲示場の場所を特定できるかどうかを裁判官自ら試みて検証する必要があるにもかかわらず、それを怠ったことは実地検証義務違反である。
原告の適性裁判請求権が侵害されている。憲法32条、31条に適合しない。
5. 釈明義務違反があった。判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。
初回口頭弁論期日の2日前に原告に届いた被告答弁書に対する反論書を提出するのか否か、被告の乙2号証弁明書、3号証再弁明書に対して、原告は反論書を提出したのか、その反論書を甲号証として提出するか否か、原告に対して審尋することなく結審したことは釈明義務違反である。原告の適性裁判請求権が侵害されている。憲法32条、31条に適合しない。
原告は平成26 年11月10日付異議質問状を裁判長に送付し、釈明義務違反について指摘したが、応答はなかった。
6. 理由不備、判断の遺脱:判決に影響を及ぼすべき重要な事項について判断の遺脱があった。(民訴法第312条6項、第338条1項9号)
一. 延岡市内のポスター掲示面積について、6.4対1の不平等状態があったことのみで選挙が無効とされるための十分な理由となることについての判断の遺脱がある。
二. 現実的に、候補者のポスターの掲示状況で、(238ヶ所対37ヶ所 = 6.4:1)の異常な不平等状態が発生していることを延岡市選挙管理委員会は知っていながら、その不平等状態を解消するための措置を何ら講じなかったことについて、選挙の自由公正平等の原則を著しく阻害する管理執行であったか否かの判断の遺脱がある。
これは、選挙公報の掲載枠が6.4:1の不平等であったら、憲法14条、21条に違反し、選挙の自由公正平等の原則を著しく阻害する管理執行があったといえることと同様であることについての判断の遺脱がある。
三. 現実的に、原告ポスター掲示場の場所を発見できす、困っていることを知らされながら、延岡市選挙管理委員会は何ら便宜供与をせず、放置し、便宜の供与に努めた形跡がないのであるから、公職選挙法施行令第111条の2の規定に違反したといえることについての判断の遺脱がある。
四. 現実として、原告がポスター掲示場の場所を発見できず、原告のポスターが掲示されておらず、他の候補者のポスターのみが掲示されている不平等状態が発生していたが、延岡市選挙管理委員会は、その不平等状態を解消するための措置を全く講じることなく放置し、努力がなされた形跡もないのであるから、公職選挙法施行令第111条の2の規定に違反したといえることについての判断の遺脱がある。
五. 仮に、公職選挙法施行令第111条の2の規定に違反していないとしても、ポスター掲示状況の不平等状態を改善するための措置が講じられなかったことが、選挙の自由公正の原則を著しく阻害する管理執行であったか否かについての判断の遺脱がある。
六. 市民が3人の候補者について均等に知る権理、3人の候補者が市民に対して均等に知らせる権理が侵害され、憲法21条、市民的政治的権理国際規約19条に適合しないことについての判断の遺脱がある。
七. ポスター掲示面積について、6.4:1の不平等状態があったことは、憲法14条、21条、15条1項3項、44条但し書に違反し、選挙の自由公正平等の原則を著しく阻害する管理執行があったといえることについての判断の遺脱がある。
八. 憲法13条: 他の候補者から苦情がないから、ポスター掲示場の図面が拙劣ではなかったとみなすことは、各候補者の個人の多様性が尊重されないこととなり、障害者対策を講じないことを正当化することに等しく、社会的弱者を救済すべき裁判所の使命に反することとなり、憲法14条平等保護、憲法13条(個人の多様性の尊重)に適合しないことについての判断の遺脱がある。
障害者の権理に関する条約第29条(障害者の政治的及び公的活動への参加)に適合しないことについての判断の遺脱がある。
九. 他の候補者から苦情がなければよいのであるとすると、ポスター掲示場の場所は選挙の度に変更されることはないのであるから、過去の選挙での立候補経験があり、ポスター掲示場の場所を熟知している現職候補者にとっては場所特定が可能で、落選させたい一人の新人候補者には場所特定できない程度の、大まかな縮尺の地図を交付することにより、新人候補者を混乱に陥れ、ポスター掲示ができないようにすることが可能となるのであるから、選挙の自由公正の原則を著しく阻害する管理執行となることについての判断の遺脱がある。それが、ポスター掲載面積の不平等状態を招き、平等保護権を侵害することとなるから、憲法14条に適合しないことについての判断の遺脱がある。
一〇.
障害者の権理に関する条約第29条(障害者の政治的及び公的活動への参加)に適合しないことについての判断の遺脱がある。
障害者基本法、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律の規定に適合しないことについての判断の遺脱がある。
拙劣な地図図面であったか否かにかかわらず、原告は、いはば、ポスター掲示場の位置を見つけることができない障害者であったが、他の候補者とのポスター掲示数の不平等状態を解消するための措置が何ら講じられなかったことは、障害者権理条約29条(a)(2)「障害者が、選挙に立候補し、並びに政府のあらゆる段階において実質的に在職し、及びあらゆる公務を遂行する権理を保護すること。この場合において、適当なときは支援機器及び新たな機器の使用を容易にするものとする。」との規定に適合しない。
一一.
原告が障害者であったか否かにかかわらず、市民的政治的権理国際規約25条平等参政権の規定に適合しないことについての判断の遺脱がある。
憲法15条1項3項、44条但し書、14条、13条、普通平等選挙権に適合しないことについての判断の遺脱がある。
障害者の権理に関する条約 Convention
on the Rights of Persons with Disabilities
第29条 政治的及び公的活動への参加
締約国は、障害者に対して政治的権理を保障し、及び他の者との平等を基礎としてこの権理を享受する機会を保障するものとし、次のことを約束する。
(a) 特に次のことを行うことにより、障害者が、直接に、又は自由に選んだ代表者を通じて、他の者との平等を基礎として、政治的及び公的活動に効果的かつ完全に参加することができること(障害者が投票し、及び選挙される権理及び機会を含む。)を確保すること。
(ⅰ) 投票の手続、設備及び資料が適当な及び利用しやすいものであり、並びにその理解及び使用が容易であることを確保すること。
(ⅱ) 障害者が、選挙及び国民投票において脅迫を受けることなく秘密投票によって投票し、選挙に立候補し、並びに政府のあらゆる段階において実質的に在職し、及びあらゆる公務を遂行する権理を保護すること。この場合において、適当なときは支援機器及び新たな機器の使用を容易にするものとする。
(ⅲ) 選挙人としての障害者の意思の自由な表明を保障すること。このため、必要な場合には、障害者の要請に応じて、当該障害者により選択される者が投票の際に援助することを認めること。
(b) 障害者が、差別なしに、かつ、他の者との平等を基礎として、政治に効果的かつ完全に参加することができる環境を積極的に促進し、及び政治への障害者の参加を奨励すること。政治への参加には、次のことを含む。
(ⅰ) 国の公的及び政治的活動に関係のある非政府機関及び非政府団体に参加し、並びに政党の活動及び運営に参加すること。
(ⅱ) 国際、国内、地域及び地方の各段階において障害者を代表するための障害者の組織を結成し、並びにこれに参加すること。
第一条 目的
この条約は、全ての障害者によるあらゆる人権及び基本的自由の完全かつ平等な享有を促進し、保護し、及び確保すること並びに障害者の固有の尊厳の尊重を促進することを目的とする。
障害者基本法 第一条 この法律は、全ての国民が、障害の有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるものであるとの理念にのつとり、全ての国民が、障害の有無によつて分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現するため、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策に関し、基本原則を定め、及び国、地方公共団体等の責務を明らかにするとともに、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策の基本となる事項を定めること等により、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策を総合的かつ計画的に推進することを目的とする。
障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律
第一条 この法律は、障害者基本法(昭和四十五年法律第八十四号)の基本的な理念にのっとり、全ての障害者が、障害者でない者と等しく、基本的人権を享有する個人としてその尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい生活を保障される権理を有することを踏まえ、障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本的な事項、行政機関等及び事業者における障害を理由とする差別を解消するための措置等を定めることにより、障害を理由とする差別の解消を推進し、もって全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に資することを目的とする。
市民的政治的権理国際規約 第25条
すべての市民は、第二条に規定するいかなる差別もなく、かつ、不合理な制限なしに、次のことを行う権理及び機会を有する。
(a) 直接に、又は自由に選んだ代表者を通じて、政治に参与すること。
(b) 普通かつ平等の選挙権に基づき秘密投票により行われ、選挙人の意思の自由な表明を保障する真正な定期的選挙において、投票し及び選挙されること。
(c) 一般的な平等条件の下で自国の公務に携わること。
一二.
延岡市選挙管理委員会が交付した「延岡市選挙ポスター掲示場設置場所一覧」では、掲示場の番地が記されておらず、場所を特定することができず、不備があることについて判断の遺脱がある。
一三.
どの道路のどの位置に行けば必ずその掲示板が存在すると言える図面でなければ、公職選挙法施行令第111条の2の「ポスター掲示場の設置場所を表示した図面を交付」したことにはならないことについての判断の遺脱がある。
地図上の1mm=50m、3mm=150m であり、市街地において150メートルの円の中で場所を特定することは容易ではないことは明らかである。掲示板が地図上の円の中にあるとは限らず、円の外である場合もあった。ポスター掲示場設置場所一覧にも番地が記載されていないことにより、場所の特定は困難であった。道路の状況も明確に示されていなかった」。位置を特定できるに足る詳細な図面を交付しなかったことは、選挙を執行するための最低限の準備が整っていなかったこととなる。
一四.
延岡市選挙管理委員会によって交付されたポスター掲示場地図によって、裁判官自身が自ら場所を特定することができると断言できないのであるから、選挙の自由公正平等の原則を著しく阻害する管理執行があったといえることについての判断の遺脱がある
一五.
公職選挙法等執行規程(延岡市選挙管理委員会規程第1号)第7条に違反した事実があったことについての判断の遺脱がある。
一六.
原告に対する不利益供与、北方文化センターでの個人演説会を開催せないようにしようとしたこと(未遂)が、選挙の自由公正の原則を阻害したことについての判断の遺脱がある。
公職選挙法等執行規程
延岡市選挙管理委員会規程第1号
第2章 個人演説会
(個人演説会開催申出の手続)
第5条 法第163条の規定による個人演説会開催申出書の様式は、別記第2号様式によってしなければならない。
第6条 委員会は、前条の申出を受けた場合は、直ちにその受理年月日時を申請書の余白に記入するものとする。
(演説会開催不能の通知)
第7条 公職選挙法施行令(昭和25年政令第89号。以下「令」という。)第114条の規定による演説会開催不能の通知は、別記第3号様式によるものとする。
7. 以下、判決書に添って:
判決書6頁: 上記認定事実に基づき検討するに,縮尺5万分の1の地図における3ミリは,実際には150メートルであり,また,ポスターの掲示を開始することができる日は,当該選挙の期日の告示の日とされているところ(法144条の2第10項,第5項前段),原告が上記の図面及び一覧表の交付を受けた日(平成25年12月25日)から告示の日(平成26年1月19日)までは3週間余りの期間があったこと,掲示場は,公衆の見やすい場所に設置するものとされていること(法144条の2第10項,第3項)のほか,他の候補者から上記図面及び一覧表について苦情が寄せられた形跡がないことも考慮すると,上記の図面及び一覧表の記載内容に,ポスター掲示場の設置場所を示すものとして合理性が認められることが推認され,これを覆すに足りる証拠はない。
「ポスター掲示場の設置場所を示すものとして合理性が認められることが推認され、これを覆すに足りる証拠はない」とあるが、これを覆すに足りる証拠がないかどうか当事者に審尋したのだろうか?
交付された地図図面(甲4)を提出するので、裁判官自ら延岡市中心部のみでよいから一日で何箇所に掲示板の存在すべき場所に印(赤テープ等で)をつけることができるか、それが実際に、掲示板が設置された場所であったかどうか、検証すべきである。
それを試みて、1日に全部238ヶ所に印をつけることができなければ加重な負担と言えることがあきらかとなる。裁判官が印を付けた場所と、実際に掲示板のあった場所の誤差が30m以内に収まっていれば合格とし、その合格の割合が90%以上でなければ、基準を上回る地図図面とは言えないことが明らかとなる。
「原告が上記の図面及び一覧表の交付を受けた日から告示の日までは3週間余りの期間があったこと」とあるが、3週間あったとしても、3ヶ月あったとしても、ポスター掲示場の場所を特定できない程の拙劣な地図であることを正当化することはできない。公職選挙法施行令第111条の2違反の管理執行があったことを妨げるものではない。
告示日に立候補者が確定する前には、立候補予定者の死亡、立候補の中止等により無投票になる可能性もあり、ポスターを貼る必要が発生するか否かも定かではなく、ポスター貼り等の選挙運動は告示日以降に開始されるものである。
「掲示場は,公衆の見やすい場所に設置するものとされていること」とあるが、拙劣な地図であれば、ポスター掲示場の場所を特定できないことに変わりはない。また、実際に、公衆の見やすい場所に設置されていたとは限らない。
「他の候補者から上記図面及び一覧表について苦情が寄せられた形跡がないこと」とあるが、他の候補者と原告は異なる人物である。個人の多様性が尊重されておらず、憲法13条に適合しない。
他の候補者は過去に何度も選挙に立候補した経験を有しており、ポスターの掲示作業には慣れており、掲示場所も把握されている。原告は、初めての立候補であり、一度もポスターの掲示作業を経験したことがない。誰でも場所を特定できる地図としての最低基準を満たしていない図面を交付することは、新人候補者を混乱に陥れるだけであり、立候補経験者を有利に立たせることとなる。
現実として、原告のポスターが掲示されておらず、他の候補者のポスターのみが掲示されている不平等状態が発生しており、延岡市選挙管理委員会は、その不平等状態を解消するための措置を全く講じなかったのであり、努力がなされた形跡もないのであるから、公職選挙法施行令第111条の2の規定に違反したといえる。
延岡市選挙管理委員会は、現実的に原告が、ポスター貼り作業で困っている時に、以下のア~カの状態であったことは、公職選挙法施行令第111条の2の規定に違反しており、選挙の基本理念である自由公正の原則を著しく阻害する管理執行があった。
ア、 全く便宜を図ろうとしなかったこと、
イ、 場所が見つからないと言っているのに、見つけるための追加情報を全く教示しなかったこと。
ウ、 より詳細な図面を求めているのに交付しようとしなかったこと、
エ、 ポスター貼りの請負の斡旋を求めているのに、知らん振りしていたこと、
オ、 ほとんどの掲示板(200ヶ所)において、現実にポスターを貼れていない状況を知りながら不平等状態を解消するための措置を全く講じなかったこと、
カ、 便宜を図る様子はなく、むしろ、喜んでいる様子であったこと。
8.
以上に加えて,上記の法施行令111条の2が努力義務を定めるにとどまるものであって,選挙に関する効力規定とまでは解し難いことも考慮すると,市委員会が原告に対してポスターはりつけの請負のあっせんをしなかったことなども含めて,上記1(1)の「選挙の規定に違反することがあるとき」に該当するとは認められない。
公職選挙法施行令第111条の2の規定は、憲法上の基本的人権の保障によって要求されるものであり、選挙において不平等状態が発生しないようにするための規定であるから、「選挙に関する効力規定とまでは解し難い」ということはできない。選挙の自由公正平等の原則が保たれるために必要な規定である。
仮に、選挙法の明文の規定に違反する事実がなかったとしても、延岡市内のポスター掲示面積について、6.4:1の不平等状態があったことは、憲法14条、21条、15条1項3項、44条但し書に違反し、選挙の自由公正平等の原則を著しく阻害する管理執行があったといえるものである。
そもそも延岡市選挙管理委員会は、ポスター掲示版を延岡市内の238箇所に設置する作業をするにあたり、候補者のポスターを貼り付けた状態で設置すれば、6.4対1の不平等状態の発生はありえなかったのであるから、過失があったといえる。
また、候補者に貼り付け作業の負担を課すことなく、選挙の公正平等を確保するために必要な措置として、延岡市選挙管理委員会が自らポスター貼り付ける作業を行うこともできたはずである。
選挙公報における各候補者の掲載面積が平等でなければならないことと同様、ポスター掲示面積についても平等でなければ選挙の自由公正平等を確保できないのであるから、絶対に不平等が発生しないような方法を採用しなかったことは、延岡市選挙管理委員会の過失である。
延岡市は小さな自治体ではなく、九州で2番目に面積が広い自治体であるから、238ヶ所全部にポスターを貼り付ける作業負担を多種多様な候補者自身に負わせることが、平等保護権、表現の自由、参政権、障害者の権理の保障実現にあたり、過度に広範な負担を条件とするものとなっており、実質的に平等保護権を侵害している。
選挙公報の発行と同様に、絶対に不平等が発生しないようにすることが容易に可能であったにもかかわらず、6.4対1の不平等状態が発生し、投票日まで解消されなかったことは、選挙の自由公正平等の原則を著しく阻害する管理執行があったといえるものである。
1人の人間である候補者が1日で238ヶ所の半分もポスターを張り終えることのできない程の過度の作業負担を負わせることは、平等保護権、表現の自由、参政権、障害者の権理を侵害するものであるから、選挙の自由公正平等の原則を著しく阻害する管理執行があったといえるものである。
これらの点についての判断の遺脱がある。
9.
ウ ビラに証紙の貼付を要求するのが不当である旨の主張について
市委員会がビラに証紙の貼付を求めたのは法142条7項に基づくものであり,上記1{1)の「選挙の規定に違反することがあるとき」に該当するとは認められない。同項は,選挙用ビラの枚数制限(同条l項1号ないし3号,5号ないし7号)を実効あらしめるための合理的措置を定めるものであり,憲法21条,13条,15条に違反しない。
選挙用ビラの枚数制限(同条l項1号ないし3号,5号ないし7号)は、表現の自由、参政権の侵害であり、市民的政治的権理国際規約第19条、25条、憲法13条、14条、21条、15条1項3項に適合しないから無効であり、実効あらしめてはいけないことについての判断の遺脱がある。
仮に、実効あらしめることが違憲ではないとしても、16,000枚の全てのビラに証紙を貼り付けることを要求することが過大な事務負担であることについての判断の遺脱がある。
過大な事務負担であったか否かについて、判断の遺脱がある。
法142条7項は、憲法21条、13条、15条1項3項、市民的政治的権理国際規約第19条、25条に適合しないから、無効である。
選挙の告示日に、直ちに16,000枚の全てのビラに証紙を貼り付けなければ頒布できないこととするのは、過度な事務負担を課すことによる表現の自由、参政権の侵害であることについての、判断の遺脱がある。
直ちに16,000枚のビラに証紙を貼ることができる候補者と、できない候補者、障害者候補者の間に、表現の自由、参政権の行使において、不平等な状態を招くこととなり、平等保護違反であるから、憲法14条、21条、15条1項3項、44条但し書、障害者の権理に関する条約第29条(障害者の政治的及び公的活動への参加)、市民的政治的権理国際規約第19条、25条に適合しない。
市長候補者としての能力とは無関係の過大な事務処理能力の有無によって、選挙における不平等状態を招くことになり、憲法14条、21条、15条1項3項、44条但し書、障害者の権理に関する条約第29条(障害者の政治的及び公的活動への参加)、市民的政治的権理国際規約第19条、25条に適合しない。
延岡市選挙管理委員会が、全ての候補者が同時にビラを頒布できるようにするための措置を講じることを怠り、候補者間に不平等状態を発生させたことは、選挙の自由公正平等の原則を著しく阻害したといえることについての判断の遺脱がある。
10.
エ不当に短い選挙期間である旨の主張について
前提事実(1)のとおり,本件選挙は,平成26年1月26日に投票がなされているところ,同月19日に告示がなされているのであるから,法33条5項4号に違反しない。原告は,同号にいう「少なくとも7目前」は,やむを得ない場合のみ7日ということであり,特別な理由がなければ20日以上前に告示が必要と解釈される旨主張するが,独自の見解であり採用できない。
したがって,上記1(1)の「選挙の規定に違反することがあるとき」に該当するとは認められない。原告は,同項が選挙の種類により告示日から投票日までの期間を差別するもので憲法13条,14条に違反する旨主張するが,選挙の種類により告示の日から選挙期日までの期間に差異を設けることには合理性があり憲法14条等に違反するものではない。
* 法令の解釈に関する重要な事項を含む。公職選挙法33条5項4号の解釈に誤りがある。
原審判決では、「独自の見解であり採用できない」としているが、「少なくとも」の辞書的な一般的な語義に反するものである。
原審は、「選挙の種類により告示の日から選挙期日までの期間に差異を設けること」については判断しているが、7日では短すぎることについての違憲判断がなされていない。7日では短すぎるか否かについての判断の遺脱がある。
7日では短すぎることは、3日では短すぎて違憲無効であることと同様である。
選挙が自由公正といえるためには、市民が候補者について十分知るための時間が確保されなければならないが、7日では短すぎるから、自由公正な選挙ではなかったということになる。
「少なくとも7日」という規定は、民法1条信義則、90条公序良俗、憲法の国民主権原理、憲法15条1項3項(選挙で十分に選ぶ時間を取る権理)、21条(十分に選挙情報を得る権理)、31条(選挙の適正手続)、13条(個人の尊重)、市民的政治的権理国際規約19条、25条に適合しないから無効である。無効であるにもかかわらず、7日しかとらなかった延岡市選挙管理委員会の管理執行は、選挙の自由公正平等の原則を著しく阻害したといえるものである。
延岡市選挙管理委員会が選挙期間を7日に制限したことは、不合理な制限であり、過度に広範な制限であり、国民の基本権を侵すものである。
いたずらに新人候補者に対して不利、現職候補者に有利な選挙運営を企画するものであり、より公平な選挙の執行を怠った。
民法1条信義則、90条公序良俗違反。
憲法の基本理念である国民主権違反。
市民的政治的権理国際規約25条参政権侵害。「いかなる差別もなく、かつ、不合理な制限なしに」という規定違反。
憲法31条選挙の適正手続違反。
憲法15条1項3項違反。選挙の際に十分に選ぶ時間を与えられる権理、候補者を比較考量する時間を十分に確保する権理。
憲法21条違反。市民が候補者について均等に知る権理、知らせる権理、十分に選挙情報を得る権理侵害。市民的政治的権理国際規約19条違反。
選挙の基本理念である自由公正の原則違反。
自然法違反。7日では短すぎるというのは自然法である。
憲法裁判所は7日では短すぎるから違憲無効であるという判決をなすべきである。2日であったとすれば違憲無効である場合と同様である。
* 原審は、「選挙の種類により告示の日から選挙期日までの期間に差異を設けることには合理性があり憲法14条等に違反するものではない。」としているが、誤りである。
町村の議会の議員及び長の選挙、指定都市以外の市の議会の議員及び長の選挙、都道府県の議会の議員及び指定都市の議会の議員の選挙、指定都市の長の選挙、都道府県知事の選挙について、国民個人にとっては、いずれも候補者を選ぶ選挙であることに変わりはなく、選ぶために候補者に関する情報を得る時間、比較検討する時間の必要度に変わりはない。
むしろ、町村の議会の議員の候補者数の方が、都道府県知事の選挙における候補者の数よりも圧倒的に多いことが通常であり、候補者が多ければそれだけ多くの選択のための時間が必要となるのであるから、町村議会の議員選挙の方が選挙期間が長くなければならないと考えられる。逆に、5日と17日の差をつけ、議会議員選挙の日数を12日も短くすることに合理性はない。国民にとって最も身近な地方自治体の議員選挙の方が都道府県知事選挙よりも重要度が高いと言えるのであるから、本末転倒である。
憲法92条地方自治の本旨、「公的な責務は、一般に、市民に最も身近な当局が優先的に遂行する」(ヨーロッパ地方自治憲章4条3項、世界地方自治憲章)という補完性と近接性の原則、「市町村最優先の原則」(シャウプ勧告)、憲法13条個人の尊厳によっても、最も身近な地方自治体の議員選挙の方が重要度は高いのであるから、選挙期間を他の選挙よりも短くすることに合理性はなく、本末転倒である。地方自治の本旨、個人の尊厳に逆らう不当な差別にあたり、憲法14条に適合しない。
11.
原告は,新人候補者の政見掲載枠を最小化することにより,現職候補者を有利にする結果となるから,選挙の結果に異動を及ぼす自由公正違反である旨主張するが新人候補者より現職候補者が有利になるとは認められず,上記1(2)の「選挙の結果に異動を及ぼす虞がある場合」に該当しない。
全候補者の掲載枠の大きさは均等であるが、その合計掲載枠が余白の5分の1であり、葉書一枚以下の小ささに制限されていたことが、公報条例第2条、公報規程第9条第3項等に違反することについての判断の遺脱がある。
選挙公報の規格及び様式が平成25年11月20日の延岡市選挙管理委員会において決定されたことについての議事録の記載がなく、事実上、決定されていないのであるから、公報規程第9条第1項に違反したことについての判断の遺脱がある。
規定によらない、恣意的な掲載枠の小ささであったわけであるから、その小ささが、新人候補者に不利に現職候補者に有利に作用することを考慮すれば、選挙の自由公正平等の原則を著しく阻害したといえるものである。
候補者の伝える権理、市民が候補者について十分に知る権理を不当に制限したものである。憲法21条、15条1項3項、市民的政治的権理国際規約19条、25条に適合しない制限であった。
新人候補者は現職候補者よりも知名度が低いのであるから、選挙公報の掲載枠を最小化することは、現職候補者を有利に立たせる効果を最大化することとなることについての判断の遺脱がある。
12.
カ 集計記録に不備があった旨の主張について
原告の主張する集計結果の記録化をしなかったことにより,直ちに選挙の自由公正の原則が著しく阻害されるとは解されず,選挙の結果に異動を及ぼす虞があると認めることもできない。
不正が行われやすい期日前投票の集計結果についての基礎的な記録を残さなかったのは、選挙の公正さについての検証を不可能とするものであり、選挙の基本理念である自由公正の原則を著しく阻害するような管理執行があったといえるものである。検証できないようにしたことについては被告の責任であるから、期日前投票の集計結果には不正があったとみなされなければならない。
13.
キ 20歳以上の学生の選挙権が奪われていた旨の主張について
本件選挙の不在者投票及び期日前投票において,特定の学生について,被告が投票を拒否したことを認めるべき証拠はない。したがって,上記1(1)の「選挙の規定に違反することがあるとき」に該当するとは認められない。
延岡市選挙管理委員会のホームページ「県外の大学に通っていても延岡市で投票できる? 」(甲2)には、学生の投票を拒否していることが自白されている。被告は虚偽の否認をした。選挙の自由公正の原則を著しく阻害する管理執行があった。
求裁判状7頁に述べられているように、延岡市選挙管理委員会議事録にも学生の投票拒否が長年の慣行であることが述べられているにもかかわらず、委員会議事録の提出を求めて釈明審尋しないことは、釈明義務違反である。
「証拠はない」という前に、証拠の提出を求めたのか否か、証拠の提出を求めることなく結審し、「証拠はない」などと言うことは信義則違反であり、釈明義務違反、審理不尽である。
判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。(民訴法325条2項により破棄差戻し理由)
在外日本人、成年被後見人、受刑者の選挙権が剥奪されていたことについては違憲の判決が出されており、学生の選挙権剥奪についても違憲の判断を出し遅れることはもはや許されない。
* 在外日本人選挙権剥奪事件:最高裁平17.9.14(判例時報1908号36頁)
* 成年被後見人選挙権剥奪事件:東京地判平25.3.14(判例時報2178号3頁)
* 受刑者選挙権剥奪事件:大阪高判平25.9.27(判例時報2234号29頁)
* 学生選挙権剥奪事件:未定
そのような制限をすることなしには選挙の公正を確保しつつ選挙を行うことが事実上不能ないし著しく困難であると認められる場合には該当しないのであるから、やむを得ない事由があるということはできず、同慣行は、憲法15条1項及び3項、43条1項並びに44条ただし書に違反するものといわざるを得ない。
14.
ク 恣意的に投票時間が短縮された旨の主張について
投票所の開閉時間の変更は法40条1項ただし書に基づき行うことができる。条例に基づくことを要する旨の原告の主張は失当である。証拠(甲1,乙3)及び弁論の全趣旨によると,本件選挙について,一部の投票所の閉鎖時刻が午後7時に繰り上げられたことが認められ,これにつきいかなる「特別の事情」 (同項ただし書)があったのか定かでないが,当該投票所(ただし,これを特定する証拠はない。)につき同条2項所定の告示による周知がなされなかったことをうかがわせる証拠はなく,閉鎖時刻の1時間繰り上げを知らずに投票の機会を失した可能性のある選挙人の数が,本件選挙の結果に異動を及ぼす虞がある程度に達することを認めるべき証拠はない。
「特別の事情」がないにもかかわらず、投票所の開閉時間の変更が恣意的に行われたのであるから、法40条1項ただし書に基づいていることにはならず、他の民主的な統制が求められる必要があり、「特別の事情」の是非を審査するプロセスを伴う条例化が必要であるといえる。
憲法14条に適合しないから、法40条1項ただし書は無効であることについての判断の遺脱がある。
* 事実誤認がある。
「一部の投票所の閉鎖時刻が午後7時に繰り上げられたことが認められ」とあるが、午後7時に繰り上げられた投票所は1箇所もない。選挙公報(甲3)によれば、
4時間繰り上げられ、16時閉鎖が2ヶ所、
3時間繰り上げられ、17時閉鎖が7ヶ所、
2時間繰り上げられ、18時閉鎖が39ヶ所、
0時間繰り上げられ、20時閉鎖が40ヶ所、
である。合計88ヶ所のうち、48ヶ所、54%の投票所が特別な事情なく繰り上げられている。過半数以上の該当数であることは、「特別な事情」ではありえず、普遍的な事情、恒常的な事情と言えるものである。
54%以上の地域の住民が、選挙の投票時間について不利益差別待遇を受けているのであり、選挙の自由公正の原則を著しく阻害した。
短縮された投票時間を知らずに投票所に行って投票できなかった人、短縮された投票時間には投票所に行けないからあきらめて投票所に行かなかった人々が侵害された参政権、表現の自由が考慮されるべきである。
市民の居住地域によって参政権の行使時間の長短を差別しているのであるから、重大な基本権侵害である。市民を混乱に陥れ、投票行動を抑圧することとなる。
投票時間を短縮せざるをえない、やむをえない事情、特別な理由があるわけではないにもかかわらず、安易に短縮したことは、不合理な制限であり、違法であるのみならず、憲法14条、15条1項3項、21条、13条、市民的政治的権理国際規約14条、19条、25条、障害者の権理に関する条約第29条(障害者の政治的及び公的活動への参加)に適合しない。選挙の自由公正平等の原則を著しく阻害した。
15.
ケ 原告が選挙立会人になることを拒否された旨の主張について
原告は,法76条, 62条9項は憲法14条に違反する旨主張するが,これには「選挙管理の任にある機関が選挙の管理執行の手続に関する明文の規定に違反する」か,又は「選挙法の基本理念である選挙の自由公正の原則が著しく阻害される」旨の主張が含まれるとは解されず,また,原告が選挙立会人となっていれば,本件選挙の結果に異動を及ぼす虞があったとの主張立証もない。
憲法14条のみでなく、13条にも違反する旨主張されていることについての判断の遺脱がある。
「~旨の主張が含まれるとは解されず」とあるが、そう解することは、被告の利益に反するから、解したくないのである。いわゆるヒラメ裁判官的な偏僻な思考回路である。憲法問題に関する思考停止である。
裁判官は建前上、独立して裁判を行うことが憲法に定められているものの、下級裁判所の裁判官についての人事権は最高裁判所が握っており、最高裁判所の意向に反する判決を出すとその裁判官は最高裁判所から差別的処遇(昇進拒否・左遷など)を受ける問題などが指摘されている。そのため、日本の裁判所では、人事面で冷遇されることを恐れて常に最高裁判所の意向をうかがいながら権力者に都合のよい判決ばかりを書く裁判官(通称:ヒラメ裁判官)が大量に生み出される原因になっていると批判されている。 (Wikipedia より)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A3%81%E5%88%A4%E5%AE%98
求裁判状26頁、18にまとめて主張されている。全弁論の趣旨からも明らかである。憲法の規定に違反することは、選挙の管理執行の手続に関する明文の規定に違反することよりも、重大な違反であることについての判断の遺脱がある。
憲法の規定に違反することは、「選挙法の基本理念である選挙の自由公正の原則が著しく阻害される」ことになるのは言うまでもないことである。
「原告が選挙立会人となっていれば,本件選挙の結果に異動を及ぼす虞があったとの主張立証もない。」とあるが、原告が選挙立会人となっていれば、開票作業における不正を監視することができたのであり、不正の発見により、選挙結果に異動を及ぼしたことは言うまでもないことである。
「~旨の主張が含まれるとは解されず、~主張立証もない」という前に、釈明審尋することを怠っている。釈明審尋義務違反である。被告の利益を図るために、見たくないものは見ないまま、聞きたくないことは聞かないまま、判決を急いでいたことが明らかである。
立会人となることができなかったので、原告は、投票日当日、開票場所である、延岡市民体育館に行き、2階の一般観覧席で開票作業を見ようとすると、延岡市選挙管理委員会の神崎誠一郎氏がやってきて、原告が疑問票の判定場所のすぐ上の席に近づいて監視することを防止するために、白いテープを張り巡らし、立ち入り禁止区域を設けた。原告は、遠くから眺めることしかできなくなった。このような特定の候補者に対する立入禁止区域を設けることは法的根拠がなく、職権乱用であった。見られては困る開票作業があるということは、不正が横行している証拠である。
16.
(ア)選挙運動用自動車の使用等の費用を公費とするか否かを候補者の将来
の得票数によって決することについて
原告は,延岡市議会議員及び延岡市長の選挙における選挙運動の公営に関する条例(平成6年条例第26号) 2条, 6条及び9条が,選挙運動用自動車,選挙運動用ピラ及び選挙運動用ポスターの公営につき供託物が没収(法93条1項)される場合を除外しているのは,著しい新規参入妨害制度であり,憲法14条, 15条3項,21条に違反し,選挙の自由公正を阻害する旨主張するが,上記各規定の目的が新人候補者の立候補又は当選を妨害することにあるとは解されず,また,同各規定の存在により,必然的に新人候補者の立候補又は当選を阻害する結果を招来すると認めることもできない。
「~旨主張するが、~とは解されず、~と認めることもできない。」とあるが、なぜ、そう解されないのか、なぜ、認められないのかという理由が示されていない。理由不備である。理由を示すことができないのは、原告の主張が正しいという確かな印である。憲法問題に関する思考停止である。
「上記各規定の目的が新人候補者の立候補又は当選を妨害することにあるとは解されず」とあるが、目的ではないとしても、結果として不平等な競争状態を招く効果を有する不合理な制限である。
実際に、原告は選挙運動用自動車,選挙運動用ピラ及び選挙運動用ポスターの公営を適用されておらず、選挙運動用自動車を利用することができず、他の候補者は公費によって選挙運動用自動車を利用し、ビラ及びポスターの費用も公費補填されている事実があるのであるから、不平等状態が発生しており、選挙の自由公正平等を阻害したことについての判断の遺脱がある。
憲法14条、21条、44条但し書、15条1項3項(普通平等選挙)、市民的政治的権理国際規約第25条(普通平等選挙)、26条、障害者の権理に関する条約第29条(障害者の政治的及び公的活動への参加)、障害者基本法、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律の規定に適合しない。「いかなる差別もなく、かつ、不合理な制限なしに」という規定に違反した。「普通かつ平等の選挙権に基づき秘密投票により行われ、選挙人の意思の自由な表明を保障する真正な定期的選挙において、投票し及び選挙されること」という規定に違反した。選挙人の候補者に関する情報の取得と、候補者に関する均等な情報に基づく適切な選挙権の行使を過度に妨げるものであった。
17.
(イ)立候補の届出期間が選挙期日の告示日当日の8時間のみに限られていることについて。
原告は,法86条の4第1項,270条1項により,市長選挙の立候補の届出時期が限定されていることが,憲法14条,15条3項,21条等に違反する旨主張するが,これには,「選挙管理の任にある機関が選挙の管理執行の手続に関する明文の規定に違反する」か,又は「選挙法の基本理念である選挙の自由公正の原則が著しく阻害される」旨の主張が含まれるとは解されず,また,立候補届出期間の上記限定がなければ,本件選挙の結果に異動を及ぼす虞があったことについての具体的主張立証もない。
「~旨主張するが、~とは解されず、~主張立証もない。」とあるが、なぜ、そう解されないのか、なぜ、認められないのかという理由が示されていない。理由不備である。理由を示すことができないのは、原告の主張が正しいという証である。憲法問題に関する思考停止である。
不合理な制限がなければ、立候補者の数が増え、本件選挙の結果に異動を及ぼしたことが明らかであることは、求裁判状26頁、18に主張されている。
「~旨の主張が含まれるとは解されず、~主張立証もない」という前に、釈明審尋することを怠っている。釈明審尋義務違反である。被告の利益を図るために、見たくないものは見ないまま、聞きたくないことは聞かないまま、判決を急いでいたことが明らかである。
18.
(ウ)選挙運動の規制について
原告は,戸別訪問の禁止(法138条),文書図画の頒布に関する制限(法142条1項柱書,6号,5項,142条の4、142条の6等),文書図画の掲示に関する制限(法143条),未成年者等の選挙運動の禁止(法137条の2、137条の3),新聞紙等の報道等の自由に対する制限(法148条3項),他の演説会の禁止(法164条の3),選挙事務所の数の制限(法131条1項),選挙運動の期間制限(法129条)が憲法13条,14条及び21条等に反すると主張するが,これらの制限が直ちに選挙の自由公正の原則を著しく阻害するとは認められず,また,これらの制限がなければ本件選挙の結果に異動を及ぼす虞があったとの主張もない。
「~と主張するが、~とは認められず、~主張もない。」とあるが、なぜ、そのようには認められないのかという理由が示されていない。理由不備である。理由を示すことができないのは、原告の主張が正しいという証である。憲法問題に関する思考停止である。
「~と主張するが、~とは認められず、~主張もない。」という前に、釈明審尋することを怠っている。釈明審尋義務違反である。被告の利益を図るために、見たくないものは見ないまま、聞きたくないことは聞かないまま、判決を急いでいたことが明らかである。
当該主張があることは、全弁論の趣旨から明白である。求裁判状26頁、18にも主張されている。
2008年10月国連自由権規約委員会第5回日本政府報告書審査
最終見解(勧告)26において、公職選挙法の戸別訪問の禁止、ビラ配布の制限等の非合理的な選挙運動の制限は、規約第19条及び第25条の下で保護されている政治活動及び他の活動を過度に制限するものであるから、廃止されるべきことを勧告しているにもかかわらず、日本の裁判官がすみやかに正そうとしないことは、国恥であり、国際社会における日本の評価を貶めることについての判断の遺脱がある。
19.
(エ)選挙権年齢の制限について
原告は,選挙権及び被選挙権の年齢要件を定めた法9条2項及び10条1項6号は,憲法14条,15条3項に違反する旨主張するが,選挙無効訴訟において,原告が他者の選挙権又は被選挙権の制限に係る法の規定の違憲を主張してこれを争うことは法律上予定されていないというべきであるから,選挙無効の原因として上記各規定の違憲を主張することはできない(最高裁平成26年7月9日第二小法廷決定・裁判所時報1607号155頁参照)。
このようなことが言えるのは、想像力の欠如の賜物である。
選挙に関するルールは、公職選挙法のみではない。同法1条において、「この法律は、日本国憲法の精神に則り」と規定されているとおり、憲法が同法の上位ルールである。憲法98条の憲法を最高法規とする規定によっても、憲法に反する選挙法の規定は無効であることが確認される。また、同条2項に国際法規の遵守義務があることから、市民的政治的権理条約、障害者権理条約等に規定される参政権、選挙に関するルールも有効である。
例えば、公職選挙法において、第9条2項に「年齢満二十年以上の者で引き続き三箇月以上市町村の区域内に住所を有する者は」の代わりに、「年齢満60年以上の者で引き続き24箇月以上市町村の区域内に住所を有する者は」と規定されていたらどうだろうか?
第9条「日本国民たる年齢満60年以上の者で引き続き24箇月以上市町村の区域内に住所を有する者は、その属する地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権を有する。」
これでも、憲法15条3項に適合しないから無効であり、選挙も無効であると主張することはできないのであろうか?法律上予定されていないのだろうか? 憲法上予定されていないのであろうか? 60歳以上の市民のみによって選ばれた市長が憲法上正当な市長といえるだろうか? この点についての判断の遺脱がある。
これでも選挙が無効にならないのであれば、永久に憲法に適合する選挙の実現は不可能となる。選挙制度を正すのは司法の役割である。
憲法第99条(憲法擁護義務)、98条最高法規、97条、11条(侵すことのできない永久の基本的人権)、12条自由権理保持努力義務等の規定により、裁判所はあらゆる機会を捉えて迅速に違憲審査を実施しなければならないのであるから、国民から違憲審査を求められれば感謝歓迎しなければならないにもかかわらす、逆に、却下するためにありとあらゆる工夫をして全力を尽くすこと、違憲審査しないようにするために詭弁を凝らすことは、自らの使命を忘れた裁判官の怠慢心の肥大化発露であるのみならず、憲法32条で保障される国民の法的聴聞権、違憲審査請求権を蹂躙するものである。
違憲状態にある選挙制度を放置し、選挙無効訴訟で指摘された違憲審査をしようとしないことは、違憲法規の改正を遅らせることになり、違憲選挙を繰り返させ、正当でない代表者による政治を増長し、民主政治の悪化を加速させるものであるから、裁判官たるもの違憲審査のチャンスを逃すことは一瞬たりともあってはならないことである。あらゆる口実をつけて違憲審査をすべきなのである。
「選挙無効の原因として上記各規定の違憲を主張することはできない」とあるが、選挙が無効となる原因として何を主張するかは当事者の自由であるから、主張事項を制限することは、表現の自由の侵害となる。どのような主張がなされたとしても、思考停止に陥ることなく、違憲審査がなされなければならない。
仮に、法律上予定されていないとしても憲法上予定されていることについての判断の遺脱がある。
以上により、「法律上予定されていない」とする原審の解釈は誤りであり、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。当該法律の解釈に関する重要な事項を含むことは上告受理理由となる。
公職選挙法(この法律の目的)
第一条 この法律は、日本国憲法の精神に則り、衆議院議員、参議院議員並びに地方公共団体の議会の議員及び長を公選する選挙制度を確立し、その選挙が選挙人の自由に表明せる意思によつて公明且つ適正に行われることを確保し、もつて民主政治の健全な発達を期することを目的とする。
20.
(オ)供託金制度について
原告は,供託金制度(法92条)が憲法13条,14条,15条3項,21条,22条,43条等に違反すると主張するが,これが直ちに本件選挙における無効事由を構成するものとは認め難いことは,上記(ウ)説示と同様である。
「~と主張するが、~とは認めがたいことは、~同様である。」とあるが、なぜ、そのようには認められないのかという理由が示されていない。理由不備であることは上記(ウ)と同様である。憲法問題に関する思考停止である。
釈明審尋義務違反であること、当該主張があったことは、上記(ウ)と同様である。
延岡市長に立候補するための条件として供託金100万円を要求することは、憲法第13条(個人の尊重)、14条(平等保護)、15条1項3項(普通選挙)、21条(表現の自由)、22条1項(職業選択の自由)、43条1項(全市民の代表)、44条但し書、市民的政治的権理国際規約第25条(普通平等選挙、参政権)、26条(平等保護)に適合しないことについての判断の遺脱がある。憲法97条憲法最高法規、国際法規の遵守義務、81条違憲審査義務、99条憲法擁護義務に適合しない。
独占禁止法の理念、第3条(新規参入妨害)に違反することについての判断の遺脱がある。
障害者の権理に関する条約第29条(障害者の政治的及び公的活動への参加)、障害者基本法、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律に適合しないことについての判断の遺脱がある。
欧米の民主主義国では、日本のように市長選挙に立候補するのに100万円もの高額な供託金が要求される例は皆無であるのは、それが自由な人間の尊厳、基本的人権、参政権を侵すことになるからであることについて、判断の遺脱がある。
自由な人間でなければ違憲判断できないのであるから、冒頭1に述べたように自由独立を侵され、三年毎の強制移住に従ってきた経歴があるような裁判官はこの事件の担当から回避されるべきである。
21.
平成26年9月29日付求裁判状の請求の原因の全部をここに引用する。憲法違反の主張及びその他の全主張について、裁判を求め、正義の実現を求める。
22.
以上の理由は単独で、又は複合的に、あるいは全体として、選挙の自由公正平等の原則を著しく阻害する管理執行があったといえるものであり、それがなければ選挙の結果に多大な異動を及ぼさざるをえないから、当該選挙を無効とするための措置がすみやかに講じられなければならない。
以上
平成27年3月8日 | |||||
平成26年(行サ)第6号 延岡市長選挙無効請求事件 | |||||
平成26年(行ノ)第6号 延岡市長選挙無効請求事件 | |||||
原告 岷民蟬 | |||||
被告 宮崎県選挙管理委員会 | |||||
最高裁判所 | |||||
原告 岷民蟬 | |||||
証拠説明書 | |||||
甲 | 標目 | 作成日 | 立証趣旨 | 作成者 | 原写 |
1 | 裁決書 | 平成25年7月14日 | 被告が裁決書を交付したこと。 | 被告 | 写 |
2 | 県外の大学に通っていても延岡市で投票できる? | 平成18年 | 長年の慣行として、延岡市選挙管理委員会が20歳以上の学生の投票を拒否していたこと。 | 延岡市選挙管理委員会 | 写 |
3 | 選延岡市長選挙公報(A4に縮小) | 平成26年1月21日 | 合計88ヶ所の投票所のうち、48ヶ所、54%の投票所が特別な事情なく繰り上げられていること。 54%以上の投票所の住民が、選挙の投票時間について不利益差別待遇を受けていること。 候補者の政見等掲載スペースよりも余白の方が圧倒的に大きいこと。選挙公報発行の本来の目的に反すること。 |
延岡市選挙管理委員会 | 写 |
4 | 延岡市全図 | 平成25年12月25日 | 延岡市選挙管理委員会に交付された図面。この地図図面では、ポスター掲示場の場所を即時に正確に特定できないこと。 | 延岡市選挙管理委員会 | 原 |
5 | 反論書 | 平成26年5月13日 | 平成26年4月28日付延岡市選挙管理委員会弁明書に対する反論書。 | 原告 | 写 |
6 | 反論書 | 平成26年6月8日 | 平成26年5月28日付延岡市選挙管理委員会再弁明書に対する反論書。 | 原告 | 写 |
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