明白かつ現在の危険
明白かつ現在の危険(めいはくかつげんざいのきけん、clear and present danger)とは、表現の自由の内容規制に関する違憲審査基準の一つ。明白かつ現在の危険の基準ともいう。アメリカの憲法判例で用いられ、理論化された。違憲審査基準としては非常に厳格な基準であり、対象となる人権(表現内容を根拠とする表現の自由の規制)の制約を認める範囲は、著しく限定的である(自由の制約が違憲とされやすい)。
「明白かつ現在の危険」の基準は、表現内容を直接規制する場合に限定して用いられるべき、最も厳格な違憲審査基準である。この基準は、次の3要件に分析される。
- 近い将来、実質的害悪を引き起こす蓋然性が明白であること
- 実質的害悪が重大であること
- 当該規制手段が害悪を避けるのに必要不可欠であること
この3要件を満たしたと認められる場合には、当該表現行為を規制することができる。1と2の要件は「重大な害悪の発生が時間的に切迫していること」とまとめることができる。
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