宮崎県選挙管理委員会裁決書.pdf
です。
反論しましょう。
主要論点:
1. 誰でもポスター掲示場の場所を特定できる図面としての最低基準が満たされている図面が交付されていたのか否か。
2. 延岡市選挙管理委員会は、甲と他の候補者のポスター掲示状況の不均等状態を解消するために何らかの対策を講じたか否か。便宜供与を行ったか否か。
被告の裁決書について:
全体として、棄却することを主たる目的として、企画された裁決書である。棄却せんがために、現実に発生した不平等状態を顧みず、違法を合法と言い、憲法違反を無視し、不公正に公正の仮面を被せることをはばからない内容となっている。
1 申立ての理由1について
申立人は、市委員会が、ポスター掲示場の設置場所を表示した詳細な図面を交付しなかったこと、また、ポスター貼付けの請負のあっせんを行わなかったことをもって、申立人に対する便宜供与を怠ったと主張する。しかしながら、市委員会は、他の候補者と公平に同じ内容の図面及び一覧表を申立人に交付しており、また、同様の図面及び一覧表を交付したこれまでの選挙において、ポスターの掲示に支障が出た例はないのであるから、市委員会が申立人の要求する図面を交付しなかったことをもって、便宜供与を怠ったとは言えない。また、令第111条の2の規定は努力義務を定めたものであるから、市委員会がポスター貼付けの請負を業とする者の情報を持ち合わせていなかったため、あっせんを行うことができなかったとしても、同条に違反したとは言えない。
「他の候補者と公平に同じ内容の図面及び一覧表を申立人に交付しており」
他の候補者は過去に何度も選挙に立候補した経験を有しており、ポスターの掲示作業には慣れており、掲示場所も把握されている。甲は、初めての立候補であり、一度もポスターの掲示作業を経験したことがない。誰でも場所を特定できる地図としての最低基準を満たしていない図面を交付することは、新人候補者を混乱に陥れるだけであり、立候補経験者を有利に立たせることとなる。結果として、甲はポスターを掲示することができなかったのであるから、不公平である。
「同様の図面及び一覧表を交付したこれまでの選挙において、ポスターの掲示に支障が出た例はないのであるから」
過去に支障が出た例がないか否かは問題ではない。過去に支障が出た例があったとしても、当該候補者が届出なかっただけであり、表面化しなかっただけかもしれない。
「令第111条の2の規定は努力義務を定めたものであるから、市委員会がポスター貼付けの請負を業とする者の情報を持ち合わせていなかったため、あっせんを行うことができなかったとしても、同条に違反したとは言えない。」
令第111条の2は、最低限なされるべきことが規定されているものである。全候補者のポスターが平等に掲示されなければならないことは、選挙公報紙において、全候補者の政見等が均等に掲載されなければならないことと同様である。そのために当然想定される必要な便宜供与努力を怠ったのであれば、同条に違反したと言わざるをえない。選挙の告示前にポスター貼付けの斡旋ができるように準備されていなければならなかったが、それを怠っている。仮に、令第111条の2のような内容の明文の規則がなかったとしても、選挙の基本原則である、公正平等性が著しく損なわれていることは明らかであり、選挙が無効とされる理由として十分である。規定の有無にかかわらず、当然なされるべきことがなされなかったということである。
「努力義務を定めたものであるから」 とあるが、最低限の努力をした事実の痕跡は微塵もないのであるから、義務違反である。努力したのであれば、容易に可能な便宜供与である。
2 申立人は北方文化センターの使用申請に対し、市委員会から使用できない旨の通鞠知が一旦なされたことについて、個人演説会の開催権を奪う目的の不利益供与行為であると主張する。また、当該通知が書面での通知ではなかったため、執行規程第7条に違反すると主張する。しかしながら、市委員会が同施設の使用ができない旨を一旦通知したのは、期目前投票所の入口が同じフロア内にあったことから期目前投票への影響を懸念したためであり、当該通知を口頭で行ったのは、使用不可としたことを早期に知らせる目的によるものであったと認められる。また、市委員会は、その後の検討により、申立人の使用を許可することとしたため、結果的に演説会開催不能の通知は必要なくなったものであり、執行規程第7条に違反したとは言えない。
「当該通知を口頭で行ったのは、使用不可としたことを早期に知らせる目的によるものであったと認められる。」 とあるが、執行規程第7条通りに執行したとしても早期に知らせることができる。遅れるわけではない。どのような目的があったとしても、執行規程第7条に違反してよいことにはならない。公正な選挙執行のための規則であり、不正防止のための規則なのであるから、順守されなければならない。
「執行規程第7条に違反したとは言えない」とあるが、目の前にいる甲に対して書面による通知をしなかった時点で、規定違反である。
申立ての理由3について
申立人は、市委員会から選挙運動用ビラへの証紙貼付けを要求されたこと及び当該証紙貼付けについて便宜供与がなかったことにつき、信義則等に違反する旨主張する。
しかしながら、市委員会は法第142条第7項の規定に則った手続を申立人に求めただけであり、また、当該証紙の貼付けについて、選挙管理委員会に便宜供与を義務づける定めはないから、市委員会に申立人の主張する違反はない。
全ての候補者が平等に、ビラを頒布できるようにすることは選挙管理委員会の責務である。公正な選挙執行が妨げられた。
ビラを直ちに新聞折込にできるようにしなかったことは、選挙管理委員会の重大な瑕疵である。
「当該証紙の貼付けについて、選挙管理委員会に便宜供与を義務づける定めはない」 とあるが、定めがないとしても、選挙の基本理念である自由公正の原則を著しく阻害するような管理執行があったといえるものであり、選挙を無効とするに十分な理由である。
申立ての理由4についてi
申立人は、市委員会が特別な理由なく告示日から投票日までの期間を7日間しかとらなかったことについて、法第33条第5項第4号に違反すると主張する。しかしながら、同号の「少なくとも7日前」という規定は、やむを得ない事情がある場合のみ7日前とする申立人の主張には根拠がなく、市委員会は、規定のとおり、7日前までに告示したのであるから、同条に違反したとは言えない。
根拠は、民法1条信義則、90条公序良俗違反。
憲法の基本理念である国民主権違反。
市民的政治的権理国際規約25条参政権侵害。「いかなる差別もなく、かつ、不合理な制限なしに」という規定違反。
憲法31条適正手続違反。
憲法21条違反。市民が候補者について均等に知る権理、知らせる権理侵害。市民的政治的権理国際規約19条違反。
選挙の基本理念である自由公正の原則違反。
自然法違反。7日では短すぎるというのは自然法である。
仮に、7日しかとらなかったことが合法であるとしても、憲法違反であり、選挙の基本理念である自由公正違反の原則を著しく阻害するものである。国民の基本権の過度な制限であり、侵害である。
また、「少なくとも7日前」の「少なくとも」は、最小限という意味である。特段の理由なく最小限の7日しかとらなかったことは、法第33条第5項第4号の趣旨に違反し、選挙の基本理念である自由公正の原則を著しく阻害するような管理執行があったといえるものである。
大辞林 第三版の解説
すくなくとも【少なくとも】
( 副 )
①最小の程度や最低の段階に言及するさま。うちわにみても。少なくも。 「費用は-一億円かかる」 「 -千人はいる」
②ほかの物事はともかくとして。せめて。 「 -規則だけは守れ」 「 -これだけは確かだ」
実際に、1950年のアメリカ占領統治時代には、市長選挙の期間は20日以上であった。それを7日まで不当に短くしているのは違憲状態である。1票の格差問題と同じく違憲である。選挙期間の格差問題である。国際的な選挙期間の格差が大きく、国内での選挙の種類、自治体の規模によって選挙期間の格差を設けることは、平等保護違反である。憲法14条違反である。
選挙期間を異常に短くすることは、国民一般の政治能力を貶めることとなり、国益に反する。
5 申立ての理由5について
申立人は、市委員会発行の選挙公報において、余白が候補者の政見等掲載枠よりも大きいのは、公報条例第2条、公報規程第9条第3項等に違反すると主張する。また、当該選挙公報の規格及び様式の決定において、公報規程第9条第1項違反があったと主張する。しかしながら、市委員会は、当該選挙公報の規格及び様式を平成25年11月20日開催の選挙管理委員会において決定しているのであるから、公報規程第9条第1項違反はなく、また、結果として申立人の主張するような余白部分が生じたとしても、当該選挙公報に候補者の政見等を公平に掲載し、余白には選挙に関する啓発事項を適正に掲載の上、発行したと認められる以上、公報条例第2条及び公報規程第9条第3項に違反したとは言えない。
「市委員会は、当該選挙公報の規格及び様式を平成25年11月20日開催の選挙管理委員会において決定しているのであるから」 とあるが、議事録には記録されておらず、決定されていないことが明らかである。
「余白が候補者の政見等掲載枠よりも大きい」 とあるが、わずかに大きいのではなく、5倍も大きいということが留意されていない。 なくてもよい余白に対して、候補者の掲載枠が5分の1以下であることは、選挙公報発行の本来の目的に反する。選挙の基本理念である自由公正の原則を著しく阻害するような管理執行があったといえるものである。
5倍以上のスペースがあるにもかかわらず、葉書1枚程の掲載枠しかとらなかったことは、切手一枚程の掲載枠しか取らなかった場合と同様に、不当な制限である。候補者の伝える権理、市民が候補者について十分に知る権理を侵害するものである。
6 申立ての理由6について
申立人は、市委員会が記名式投票と記号式投票の別々の集計結果を記録しなかったことが、適正手続及び国際規約第25条違反であると主張する。しかしながら、申立人が主張するような集計結果の記録を義務づける定めはなく、市委員会がこれを行わなかったとしても何ら違法となるものではない。
申立人は、市委員会が記名式投票と記号式投票の別々の集計結果を記録しなかったことが、適正手続及び国際規約第25条違反であると主張する。しかしながら、申立人が主張するような集計結果の記録を義務づける定めはなく、市委員会がこれを行わなかったとしても何ら違法となるものではない。
違法とならなければいいというものではない。
「選挙の管理執行の手続上、選挙法の基本理念たる選挙の自由公正の原則が著しく阻害され」 たことが明らかであれば、選挙は無効となることは、被告が裁決理由の冒頭で述べているとおりである。
不正が行われやすい期日前投票の集計結果についての基礎的な記録を残さなかったのは、選挙の公正さについての検証を不可能とするものであり、選挙の基本理念である自由公正の原則を著しく阻害するような管理執行があったといえるものである。
申立ての理由7について
申立人は、選挙制度について憲法等違反の問題点を主張するが、前述のとおり、選挙が無効とされるのは、選挙の規定に違反することがあるときで、かつ、その規定違反が選挙の結果に異動を及ぼす虞がある場合に限られている。その際、問題とされるのは、選挙管理機関の行う具体的な管理執行の手続における違法等についてであり、選挙制度そのものの憲法等違反を理由として選挙無効を主張することはできない。
この認識は誤りである。
「選挙制度そのものの憲法等違反を理由として選挙無効を主張することはできない。」 とあるが、根拠のないものである。憲法98条の最高法規規定に反する解釈である。憲法に適合しない選挙法の規定は無効であるから、これに基づいて施行された本件選挙も無効となる。
選挙の基本理念である自由公正の原則を著しく阻害するような管理執行があり、それが憲法違反であれば、選挙を無効とするに足る十分な理由となる。
憲法 第九十八条 この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。
申立ての理由8について
申立人は、市委員会に対し、本件選挙に関する文書の情報公開を求めたが、速やかな開示がなく、信義則等に違反する旨主張する。しかしながら、情報公開の手続と本件選挙の手続とは関係がないので、申立ての理由とはならない。
情報公開の遅延工作は、選挙の不正事実の確からしさを補強するものである。
9 申立ての理由9について
申立人は、選挙人名簿に登録されているにもかかわらず、20歳以上の学生の不在者投票及び期目前投票が拒否されていると主張する。しかしながら、そのような事実があったことについての具体的な立証がなく、申立人の主張には理由がない。
ポスター掲示場の場所を特定できる図面としての最低基準が満たされていた図面が交付されていたのか否か。20歳以上の学生の不在者投票及び期目前投票が拒否されていることが、延岡市選挙管理委員会の長年の慣行であることは、委員会議事録等から明らかである。延岡市選挙管理委員会は、拒否した事例はないと言っているが、信憑性がない。常時拒否しているから、投票所に訪れる人がいなくなるともいえる。
拒否する慣行があるだけで、学生の投票行動を抑制することとなるのであるから、投票妨害となり、選挙の基本理念である自由公正の原則を著しく阻害するような管理執行があったといえるものである。人は、投票所に行っても投票できないことが事前にわかっていれば、投票所に行くことはない。過去に投票拒否された経験のある人は、投票所に行くことはない。投票所に行って虐待された経験のある人は、投票所に行かなくなるもののである。
申立ての理由10について
申立人は、条例によらずに投票所の開閉時間が変更され、投票時間が短縮されたことは違法であり、また、仮に、当該変更のために条例を定める必要がないとしても、変更を行うことは憲法等に違反する旨主張する。しかしながら、投票所の開閉時間の変更は、法第40条に基づき行うことができるので、条例を定める必要はなく、また、開閉時間の変更自体が憲法等に違反するという申立人の主張は、結局のところ選挙制度の問題に帰着するものであり、これについては、上記7で述べたとおり、選挙制度そのものの憲法等違反を理由に選挙無効を主張することはできない。
全部の投票所について一律に投票時間を設定するのではなく、一部の投票所のみ、投票時間を短縮することは、不平等である。憲法14条違反である。市民の居住地域によって差別していることとなる。重大な基本権侵害である。市民を混乱に陥れ、投票行動を抑圧することとなる。
投票時間を短縮せざるをえない、やむをえない事情、特別な理由があるわけではないにもかかわらず、安易に短縮することは、違法である。
「投票所の開閉時間の変更は、法第40条に基づき行うことができるので、条例を定める必要はなく」
とあるが、市民の基本権を制限し、投票できる時間に地域格差を設けるのであるから条例化されなければならないことは当然である。憲法31条、適正手続条項、及び、市民的政治的権理国際規約19条3項ただし書きの要求するところである。
「選挙制度そのものの憲法等違反を理由に選挙無効を主張することはできない」 とあるが、根拠のないものである。憲法98条の最高法規規定に反する解釈である。憲法に適合しない選挙法の規定は無効であるから、これに基づいて施行された本件選挙も無効となる。
選挙の基本理念である自由公正の原則を著しく阻害するような管理執行があり、それが憲法違反であれば、選挙を無効とするに足る十分な理由となる。
11 申立ての理由11について
申立人は、候補者が選挙立会人になれない制度が憲法に違反する旨主張するが、上記7で述べたとおり、選挙制度そのものの憲法違反を理由に選挙無効を主張することはできない。
憲法13条、個人の尊重義務違反である。多種多様な個人の存在が尊重されなければならない。
他の候補者との不平等状態が発生しており、憲法14条違反である。他の候補者は選挙立会人を選出でき、甲は選挙立会人を選出することができない制度は、不公平である。
候補者の開票立会権を侵害するものであり、自然法違反である。当然可能であるべき開票立会権が侵害されている。
候補者が選挙立会人になれないとする制限に合理性がない。不当な制限である。
「選挙制度そのものの憲法等違反を理由に選挙無効を主張することはできない」 とあるが、根拠のないものである。憲法98条の最高法規規定に反する解釈である。憲法に適合しない選挙法の規定は無効であるから、これに基づいて施行された本件選挙も無効となる。
選挙の基本理念である自由公正の原則を著しく阻害するような管理執行があり、それが憲法違反であるならば、選挙を無効とするに足る十分な理由となる。
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