2014年2月22日土曜日

過剰請求による裁判を受ける権理の抑圧

この判決のおかしさを考えてみましょう。
個人対財閥銀行ということでもあります。
これが逆で財閥を敗訴させる判決なら説得力はあるのですが。
こちらに解説があります。

これも思いやりの無さが根底にあります。信義則違反です。
要するに、2重請求して裁判を受ける権理を抑圧したいしくみにしたいということです。


○ 同一価値労働同一賃金
正社員と非正規社員の差別がなくなると何がどう変わるのか――イギリスの労働者視線で見た「同一価値労働同一賃金」の恩恵と日本への教訓

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元の被告が会社法人Aで、後からその代表者個人Bを被告に追加する場合を考えてみます。
こんなことはよくありそうなことです。





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最高裁判所 昭和62年7月17日 第3小法廷 判決(昭和59年(オ)第1382号)

要旨:

 1.訴えの主観的追加的変更は許されない。  甲が乙を被告として提起した訴訟(旧訴訟)の係属後に丙を被告とする請求を追加して一個の判決を得ようとする場合は、丙に対する別訴(新訴)を提起したうえで、民訴法132条(現152条)の規定による口頭弁論の併合を裁判所に促すべきであり、新旧両訴訟の目的たる権利又は義務につき共同訴訟の要件が具備する場合であつても、新訴が当然に旧訴訟に併合されるとの効果を認めることはできない。
/民訴.152条/民訴.143条/民訴.38条/

内容:

 件 名 損害賠償請求上告事件(上告棄却)
 原 審 東京高等裁判所昭和59年8月16日判決(昭和59年(ネ)第1703号)
 上告人  控訴人  原告 上月一男
 被上告人 被控訴人 被告 安田信託銀行株式会社  右代表者代表取締役 山口吉雄

主    文

 本件上告を棄却する。
 上告費用は上告人の負担とする。

理    由

 上告人の上告状及び上告理由書記載の上告理由について
 所論は、要するに、上告人が井上利行を被告として提起している東京地方裁判所昭和五五年(ワ)第八八一号事件の請求(以下「旧請求」という。)と上告人が被上告人を被告として提起している本件訴えにかかる請求とは民訴法(以下「法」という。)五九条所定の共同訴訟の要件を具備しているから、本件訴えを旧請求の訴訟に追加的に併合提起することが許されるべきであるところ、右の両請求の経済的利益が共通しているから、上告人は本件訴えにつき手数料を納付する必要はない、というのである。
 しかし、甲が、乙を被告として提起した訴訟(以下「旧訴訟」という。)の係属後に丙を被告とする請求を旧訴訟に追加して一個の判決を得ようとする場合は、甲は、丙に対する別訴(以下「新訴」という。)を提起したうえで、法一三二条の規定による口頭弁論の併合を裁判所に促し、併合につき裁判所の判断を受けるべきであり、仮に新旧両訴訟の目的たる権利又は義務につき法五九条所定の共同訴訟の要件が具備する場合であつても、新訴が法一三二条の適用をまたずに当然に旧訴訟に併合されるとの効果を認めることはできないというべきである。けだし、かかる併合を認める明文の規定がないのみでなく、これを認めた場合でも、新訴につき旧訴訟の訴訟状態を当然に利用することができるかどうかについては問題があり、必ずしも訴訟経済に適うものでもなく、かえつて訴訟を複雑化させるという弊害も予想され、また、軽率な提訴ないし濫訴が増えるおそれもあり、新訴の提起の時期いかんによつては訴訟の遅延を招きやすいことなどを勘案すれば、所論のいう追加的併合を認めるのは相当ではないからである。
 右と同旨の見解に立ち、上告人の被上告人に対する本件訴えは新訴たる別事件として提起されたものとみるべきであるから、新訴の訴訟の目的の価額に相応する手数料の納付が必要であるとして、上告人が手数料納付命令に応じなかつたことを理由に本件訴えは不適法として却下を免れないとした原審の判断は、正当として是認することができ、原判決に所論の違法はない。所論引用の判例は、事案を異にし本件に適切でない。右違法のあることを前提とする所論違憲の主張は、失当である。論旨は、ひつきよう、独自の見解に基づいて原判決を論難するものにすぎず、採用することができない。
 よつて、法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 坂上壽夫 裁判官 伊藤正己 安岡滿彦 長島敦)

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